
写真は、「生きている静物(静物-速い動き)」というダリ1956年の作品だ。
解説によるとこの作品は、古いオランダ静物画を現代の文脈の中で蘇られた。そのもととなった絵画は、フロリンス・ファン・スほー店の「食物のあるテーブルである。としている。
そして、‥ダリは、黄金分割を用いて、人間が最も破壊的な力を行使する時でさえ、自然にはなお人間の影響力が及ばない普遍的な秩序が存在することを示している。‥‥
静物。空中を浮く。赤いクロスは人間のDNAを示しているという。
‥‥
ダリの作品は、古典の名作を現代の文脈の中に描きなおしているものが多い。ダリが生活したカタルーニャの原風景には、入江、岩礁、町並みなどがある。本当に静かな、田舎の港町に、記憶と空想の落とし子のような時空の飛躍が入りこみ、さらに古典の英雄がパロディのように登場してくる。
ある種の混沌。今回のダリ展に出品されている作品を見ながら、ディテールのリアリティが、全体の中にプロットされるときの、人間の不安定性について実感したのでした。
少し残念だったのは、上野の森の美術館は、キャパに限界があり、ダリが描くシュールな空間演出ができていなかったことかな? 一つひとつの作品をじっくり見るほど空間に余裕がなかったのは残念。
それにしても、日本人は、何故ダリにこんなに興味を示すのだろうね‥。満員でした。