「功名が辻」に一瞬登場した唐沢寿明 | 考える道具を考える

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唐沢
 NHK大河ドラマ「功名が辻」は、戦国時代を背景とした大河の中では、実に地味な作品である。

 「大地」を演じて以来、密かにウォッチングしている上川隆也さんの演技は、控え目、優柔不断、時代の流れに乗り切れない妙な頑固さという性格を見事に表現しており、千代の判断力が「家」の存続を支えているという演出は理解できる。

 一人の中間管理職の視点から、時の権力者を見るという視線は、確かに、日々変化する判断が困難な今日的な日本の企業における中間管理職の迷いを彷彿とさせ、現代の時間軸にフィットしているのかもしれない。25%前後の視聴率は、現在ではトップである。

 そんな中、先週の秀吉の最期の場面で、前田利家役として、ほんの一瞬、唐沢寿明が登場していた。気がついた人はいるだろうか?
 戦国武将としての前田利家は、大出世大名の代表選手だが、今回の大河ではほとんど触れられていなかった。

 しかし、この「ちょっと出」は、意外な面白さを醸し出していたと思う。大河ドラマは、長い歴史を持っている。多くは、戦国、幕末などの動乱の世の人間模様を描くので、その時々の主演の役者は印象深く残っている。しかし、こうした「時代や番組を超えた演技者の錯綜で遊ぶ」ことは、これまでなかったように思う。

 「一瞬、あれれ?」と思って、「これから何回か登場するのかな?」と思ったのですが、昨日の筋書きで利家没後の状況に変わってしまいましたね。

 こういうウィットのある演出は、これからもどんどんやってほしいと思いますね。ヒッチコックが自作の映画に通行人として登場した時のように‥。

 PS 来年の大河ドラマも戦国が背景。風林火山の主役は内野聖陽さん。帝劇を飾っている内野聖陽とは違う、テレビの顔で登場してくるのでしょう。これも楽しみですが、これまでの大河出演の役者が、そのままの姿で登場してくるような仕掛けの楽しみも演出していただきたいと、ささやかに思っています。