
オレステスの続きです。
ギリシア悲劇を理解する上で、大きな役割を担っているコロスを理解することが大事です、と翻訳者山形冶江さんは言う。
写真はオレステスに登場するコロス。コロスとは、現代語のコーラスの原語になった言葉で、山形さんの解説によると次のような舞台上の役割があるといいます。
1 登場人物 集団で一つの人格を持つもので、土地の女達や長老たちとして登場してきます。
2 目撃証人 物語の展開と結末をすべて見届ける役割を担います。
3 解説者 物語の背景や状況を説明し、観客の理解を助ける役割もあります。
4 代弁者 観客の感想や作者の思想を代弁します。
5 雰囲気作り 状況に応じたムードづくり、歌と踊りで情緒を増幅します。今回のコロスも雰囲気を作っています。
6 スペクタクル 集団で動き回り、視覚的おもしろさを提供する。
といったことです。
今回のオレステスの演出では、雨が舞台を打ちます。これは、唐十郎さん以来、舞台に演出として活用される水と雨の延長にあるようです。その雨の中を、円を描くように回るコロスの踊りもまた、実にこの悲劇を象徴した動きを見せてくれます。
いずれにしても、いつの時代も、時代の証言者は重要ですね。大衆を一つの人格として見立てる「コロス」は、現代の混沌とした時代においても重要な役割を担うものと思われますね。
このブログの世界は、何百万という数の時代の証言の集積といえばいえないこともありませんね。一人ひとりが、何を見て、何を感じているか‥日々更新される情報の推積は、きっとどこかで時代を表現していくのでしょう。
頑張って書き続けましょう。