共感性の表現力 | 考える道具を考える

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The instrument which I think

 かつて、女優 吉永小百合さんは、テレビの番組司会者として一斉風靡した時代があった。

 トーク番組にゲストを迎えて、俳優や芸術家などとの対話を楽しむ番組で、そのトーンは現在の徹子の部屋の雰囲気だったと記憶している。

 女優が何故、すぐれた司会者と評価されたのか? それは、「あいづち」の技術の妙だったわけですね。

 女優から静かに「そうなんですか‥」と共感されたら、ゲストは舞い上がる。もう、それだけで気分は最高となってしまい、あとはぺらぺら実に気分よく話しが展開されることになる。「女優に私の話を共感してもらった‥何と光栄なことか‥」

 ‥しかし、ある時、 ベテランの俳優さんが、自分の過去の苦労話の最後に、女優に逆質問をする場面に到達する。

 「それで、吉永さんの場合は、どうだったんですか? 」

 すると女優は、

 「何のお話ですか?」

 ‥こうして、女優のすぐれた司会振りは、ゲストの話に共感していたのではなく、「共感を表現していた」に過ぎないということが明らかになってしまいました。

 とはいえ、この番組は大成功した。また、女優の豊かな教養や優れた人格も高く評価され、女優としての価値も高まっていったのでした。

 ‥‥共感性。その表現の技術は、「相手の言葉に反応し、相手の言葉で共感する」ということでしょうか?

 この方法を採用すると、真にコミュニケーションはよくなりますね。これは本当です。

 一度お試しください。