仕事の必要があって、高田貴久さんの「ロジカル・プレゼンテーション」(英冶出版2004年2月 初版)を読んだ。ある会社の人材育成のために、プレゼンテーションの能力開発をお手伝いするためだが、依頼主の問題意識は、論理的に説得できる技術を教えて欲しいというものだった。
私のプレゼンに対する考え方は、「論理的説得」と「情緒的説得」の2軸にプロットされる説得の領域を把握して(=個人的には説得のマトリックスと呼んでいるのですが‥)、説得すべき相手のニーズに対応した「説得の技術」を駆使することが、プレゼン成功のための第一条件だと考えています。
しかし、どうやら、この依頼主は、その会社の人材が、論理的でないために、プレゼンに成功しないと認識しているようで、特にロジカルな説得に興味をしめしていました。
高田さんのこの著書は、ある意味極めて論理的にプレゼンの極意を整理していて大変分かりやすいものでした。いわば提案の技術は、単にビジネス上での顧客に対するもだけでなく、社内でも友人関係でも、ある判断を必要とする場面で必要な技術だとしているところがよかったですね。
特に「仮説検証力」という章では、私の大好きな仮説の考え方、活用の仕方が整理されている。仮説検証の5つのステップを整理しています。一部紹介しますと、その第一は「目的の理解」。まあスタンスあわせですね。第二は「論点を把握する」、そして第三が「仮説を構築する」、第四が「検証を実施する」。相手の疑問点という論点に対して、事実をもって裏づけする作業。まあ、ここが論理的説得の最大のポイントでしょうね。そして最後の第五は「示唆を抽出する」という段階で説得を成功に導く、というロジックですね。
しかし、現実には、このように図式的にはいかない。それは皆よく知っていることではあります。すなわち、論理は公式どおりには進まない。何故なら、そこに人の感情が入るから‥。しかし、こうした論理的な筋書きは必要ではありますね。
説得の最後は、プレゼンテーターの情熱。こういう非論理的な駄目押しが大切だということも、またこの著書から学習できました。ありがとう。