養老孟司さんが司馬さん没後10年を振り返って、今年の正月号の文藝春秋に寄稿した論文について。続き。
この論文の中では、歴史史観について、こんなふうに書いている。
‥‥そもそも「歴史 history」とは「イストワール」「ヒズ・ストーリィ」つまりは「物語」であって、きわめて個人的な営みであろう。そこには主観しかなく、客観などありはしない。‥‥
客観的な歴史認識などないというものだ。
私もまったく同感。このブログでも何度も書いたような気がする。
また、別の部分では、会社人間化した日本のビジネスマンの心の奥を、こんな風に分析してみせる。
‥‥会社というのはむろん私企業であり、株式会社という営利法人でもあり、それ以外のなにものでもない。が、日本人の場合、そのなかに入って働きはじめると、会社に“公”を感じるところがある。ときに、圧倒的に感じる。‥‥
そして、公を内包する日本人の生き方そのものを全面的に反対しているわけではない。
しかし、司馬さんの慧眼は、こうした10年前までに書かれたものだけれど、現代社会の隅々にまで問題点の指摘が行き届いているのがわかる。
まさに司馬さんの予言なんだろう。
これらの言葉の一つひとつを、自分の価値観と照らし合わせてみて、自分のモノの見方、考え方に活かしていきたいと思う。