良い「聞き手」になるためのコツ | 考える道具を考える

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The instrument which I think

 さる

 賢さは聞くことに由来し、後悔は話すことに由来する。‥

 イタリアの古いことわざです。


 この写真は有名な日光東照宮の「見ざる、言わざる、聞かざる」の浮き彫りです。この三つの動作だけが「和風の人間関係の古典的な知恵」のように言われていますが、本来は、このお猿さんたちは、人間の一生の流れを描いた物語の一部であるのです。

 危ないことは見ない、口を出さない、聞かないフリをするなどと解釈するのは間違っているようです。人が大人になっていく成長の過程の心のあり方を描いていると解釈した方がよさそうです。

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 ところで、私は、「聞く」というスキルの重要性に強い関心を持っています。コミュニケーションの最大のポイントは「聞き上手」であるかどうかということ、ということに確信を持っています。

 情報建築家リチャード・ワーマンは、「それは情報ではない。」という著作の中で、コミュニケーションの方法について様々な研究成果をまとめていますが、良い聞き手になるためのコツをこんな風に整理しています。

 ●人間は二つの耳と1つの舌を持つ。一つ言ったら二つ聞くようにする。

 ●相手が話している間に答えを考えない。

 ●話の腰を折らず、最後まで聞く。

 ●沈黙が流れても慌てて空虚な言葉で埋めようとしない。沈黙は、時として会話をはっきりとわかりやすくしてくれる時間になる。

 ●聞くことを受身の行動と考えてはいけない。大きなエネルギーを必要とする能動的な作業なのだ。

 話すときと同じ情熱を込めて、相手の話を聞こう‥これがワーマン先生の教えです。さて、こんな態度で相手の話を聞いたことがあるだろうか?