イッセー尾形 老いを演じる | 考える道具を考える

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 一人芝居の芸術家イッセー尾形のスタジオライブが、14日のNHK教育テレビ「芸術劇場」で放映された。

 デビュー25年目になるという。

 イッセー尾形といえば、一人芝居。そこで演じられるテーマは、私達の日常の何処にでもありそうな風景。徹底した人間観察に基づいた「普通」の人間たちの悲喜交々が、悲喜劇として演じられる。

 ほらっ、隣にいるあの人にそっくりだね‥。

 そう語りながらイッセーの世界に引き込まれていく人は多いと思う。

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 最初にイッセーのイラスト集が発売されたのは、もう15年以上前だろう。その一冊を手に取ったとき、一人芝居の裏側にある人間観察の詳細さに驚かされた。

 そう、実に身近な商店街の昼下がり、そこに登場する床屋のオヤジ、八百屋のご主人、配達中の蕎麦屋のあんちゃんが、きちんと観察されているのでした。

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 そして、イッセーが老いを演じるという。タクシーが拾えない酔っ払いのサラリーマンを演じた「へぃ、タクシー」や「バーテン」で、「普通」感覚による時代の風を切り取ってきたイッセーが、いよいよ「老い」である。どんな風に、笑いの中でこのテーマを魅せてくれるのか、楽しみが増えた。