速読と熟読(続編) | 考える道具を考える

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高島徹治さんが書いた『人生が変わる「朝5分」速読勉強法』(2005年1月 講談社文庫)が速読の本としては優れている。

タイトルが何とも胡散臭いのだが、書いている内容は速読に関する誤った理解を修正してくれて、尚且つ速読の効果を説いている本としては安心して読めた。

当たり前のことだが、本を早く読むことを目的とした読書法はあってもいい。しかし、すべての書物を速読しなければならないなどという強迫観念を持つ必然性はない。

高島氏は、一般的に速読に適した書物のレベルをこう整理している。早く読める順番だが‥。

エッセイ・小説→一般業務文、新聞、雑誌、一般単行本→社会科学系専門書→技術系・自然科学系専門書

という具合。

そうか。これでも小説家に言わせれば文句の1つもいいたくなるのかもしれない。小説は物語だから(小説は大説ではないと言い放ったのはか開高健だったな‥)ストーリィが分かればいいのだといえば、速読に向く。

しかし、小説の中のせりふのやりとりに、人間心理の何がしかを感受したいのならば、行間を楽しめばいい。
そして、専門用語がどんどん出てくるような専門書は速読には向かない。確かにそうだろう。

記憶することと、理解することは違う。だから読み方にもいろいろあっていいということなんだろうか?

要は、自分の目的をはっきりさせることなんだろう。ビジネス文書を味わって読む馬鹿はいないのだから、報告書を書くときは要点を最初にまとめ書きしておくことが重要だといわれるのも納得する。

高島さんのこの本で最も役に立ったのは、

‥速読したければ、本を早く読もうと心がければいい‥

ということ。そういう気持ちで読んでみると、確かに早く読めた。
その程度のことなのかもしれない‥。