天才 羽生善治四冠が著した「決断力」は、棋士の頭脳の動きが読めて面白い。
将棋にご興味のない方には、あまり関心はないかもしれないが、プロの将棋は、頭脳の格闘技である。そして、必ず勝負がつく。将棋の終り方も面白い。勝った方が「私の勝ちですね‥」というのではなく、負けた方が、潔く「負けました!」と宣言してはじめて終着する。
羽生四冠は、映像時代の申し子のように言われた。将棋の盤面を映像のように記憶し、様々な指し手をイメージしていくというのだ。過去の名人たちの思考プロセスとは違うものと評価された。(フォトリーディングの元祖?)
しかし、この本を読むと、四冠が現場の空気を読むことによって、初めて他の棋士たちの考え方や意味を感じ取れると書いている。
「決断力」の中で、「選ぶ」情報、「捨てる」情報という章がある。
‥‥情報をいくら分類、整理しても、どこが問題かをしっかりととらえないと正しく分析できない。さらにいうなら、山ほどある情報から自分に必要な情報を得るには「選ぶ」より「いかに捨てるか」のほうが重要なのである。‥
‥‥生きた情報を学ぶのにもっとも有効なのは、進行している将棋をそばで皮膚で感じ、対戦者と同時進行で考えることだ。将棋は生き物だ‥
さて、瞬間的に1000の手が浮かぶプロ棋士たちの情報選択のプロセスは、やはり捨てることが理解できた。
しかし、日常や仕事を進める上で、肌感覚で得た情報を、私はどれだけ保有しているのだろうか? 洪水のように溢れている情報とよく言われるが、私にとってまずは、「情報を捨てるために」には、情報を集めなければ、話は始まらないということでもありそうです。(これって、逆の発想でしょうか?)