2023 夏 | 日はまた昇る~THE SUN ALSO RISES~

日はまた昇る~THE SUN ALSO RISES~

一粒種の息子ぼるの事、自分事、今はお空組のマロン、いっち、みぃたん、あじゅ、らい、インコのもも、四女ぷりん(ぷんこ)、五女くみん(くぅ)、両親の事…


コメ閉じごめんなさい。
自分からコメント残せる時はしますね☆

なんで?





パパどこも体わるくなかったじゃん





でも。




検案書書いてくださった医師に聞いたら。





体のどこも悪くなく、既往歴も手術歴もないけど




突然「急性心筋梗塞」を起こすことはあるとの事。








先週から新人さんに仕事教えるためにツーマンになった。






寝るのは各々のヘッドで寝るとの事で。 パパのトレーラーのヘッドは、いつも駐留してるガソリンスタンドにあった。






朝に一緒に新人さんのヘッドに乗って仕事を教え、慣れてもらう手筈だったのに。





朝に姿が見えなかったから。





車内探したけどいなかったから。





新人さんは1人で荷物積むために行ってしまった。








7/7の夜8時頃。





4月に変わった会社から初めての電話。





「○○さんがいなくなった」と第一報。





仕事だけは真面目に取り組む人だし。





車内に財布、スマホが残ったままどこにも行くはずはない。




社長も「それは十分分かってるから不思議なんだ」と。







息子が幼稚園の頃。

日中の炎天下の中作業していて熱中症になってしまい。




その日の夜。外食の帰りにコンビニに寄った時。



駐車場で一瞬意識飛ばして倒れた。




その時左肋骨辺りを輪止めにぶつけて。


その日の夜中に痛みで寝てるのに唸り声をあげて。





翌日病院に行ってレントゲンを撮ったら「肋骨にヒビ」



以来、夏になると熱中症、脱水症状には人一倍気をつけてたけど。





社長にその経緯を話して「もしかしたら外のどこかで転がってるかもしれない」と話した。




社長は速攻救急に連絡してくれた。





救急には届出がないから、今度は警察に連絡。





それから数分後。



社長は心配だから現場に向かうのに「奥さんも行きますか?」と聞かれ。





電話をそばで聞いていた息子と頷きながら「今すぐ会社に向かいます」と返事して、取る物とりあえず会社に向かい、社長の車で現場に直行した。






車の中はエアコンが効いてて涼しいはずなのに、顔から汗が止まらなかった。







7/7の朝にツーマン指導の方が「○○さん(主人)がいないから。車内探したけどいないから。1人で仕事に向かった」と聞かされる。






警察からも「もしかしてどこか給料のいい所に呼ばれる引き抜きの話とかなかったか?」など聞かれた。






「もしあるなら主人は速攻話してくれるから。そんな話あるなら逆に教えてください」と話して。





どのくらい時間が経ったか分からなかった。





警察車両の他に救急車両も来た。





車を止めていたガソリンスタンドの防犯カメラを確認してもらったら。





7/7に日が変わって間もなく。




防犯カメラにパパがシャワー室に向かってるのが映し出され。




それから警察、救急の方々がシャワー室に向かった。






中から施錠されていたので、スタンドの方が解錠してくれた瞬間。





「○○さん!!○○さん!!」と何人もの何度も呼びかける声が響き渡った。






何回も警察の方に「主人のそばに行かせてください!!」とお願いしたのに返って来る言葉は「車でお待ちください」だけだった。




そこに行けない私と息子は社長の車の中で震えながら「パパを早く助けて!!」と何度も何度も口にしては体を震わせ、尋常じゃない雰囲気にただひたすら「とにかくパパを助けて!!」と祈った。





どのくらい時間が経った分からない。





車のドアがノックされた。




ドアを開けたら青の割烹着の様な服を着た救急の方が。




「ご主人見つかりました。 とても申し上げにくいのですが…」




「今私達が確認したところ、救急車に乗せる事が出来ない状況です」と言われ。







知識もさほどない私でも知ってる。





「救急車に乗せられない=その場で死亡してる」




それを口に出した。

「救急車に乗せられないって事はもう助からないって事?なんで?助けてください!!お願いします!!助かるかもしれないじゃない!!」と何度も繰り返しお願いした。




そしたら。





「大変お伝えにくいのですが…

もう既に『硬直』が始まってまして…」






その言葉を聞いてからの自分の心も体も。





どこにあるかも分からなくなった。





「お願いだからパパ助けてよ!!まだ分からないかもしれないじゃない!お願いします!!」と何度も叫んでた気がする。

「何で今会わせてくれないの!?会わせて下さい!!」と何度も叫んだと思う。







でも。

それは叶わなかった。

「結構血まみれで…」の一言を残して。




どれくらい時間が経ったか分からない。






今度は警察の方が車のドアをノックした。






「これから警察の方にご主人様を搬送します。警察に到着したら奥さんにもお話を聞かなければなりませんがよろしいでしょうか?」





ただ呆然しながらも涙が止まらないまま「はい」と返事したと思う。






やっとパパの顔を見る事が出来たのは7/8の午前2時過ぎ頃。





パパ何も悪いことしてないのに警察にいる。




シャワー浴びようとした矢先に倒れたようで、裸のまま毛布が掛けられて横たわっていた。






警察で分かること。

心臓に何らかの症状があったのだろうと言うこと。



顔から倒れて鼻からか口からの出血したらしいと言うこと。




顔左側を下にうつ伏せで倒れていたから、左側にうっ血があること。





うちの茶の間でうたた寝してるような顔。

苦しそうな表情もなく眠ってるだけ、のような顔。






「1日ひとりぼっちでいたんだね。心細かったよね。」



触れた顔にあの温かさはなかった。




呼んでも二度と返事が返ってくることはなかった。







私はてっきり熱中症でどこかで倒れてるかで、声を掛けたら起きて、その後病院→入院かな、くらいに思っていた。




まさか。

今生の別れになるなんて思ってなかった。




朝になって、医師からの「検案書」の「急性心筋梗塞」「短時間」で目が止まった。




だから「苦しんだ顔してなかったんだ」






一旦自宅に戻った。

ぷりんとくぅを一晩お留守番させてたから心配だった。

トイレもごはんもエアコンもちゃんと整えた。

そしてまた明日7/9にパパを荼毘にふし、一緒に帰宅する為に、礼服の支度もしなきゃならなかった。




7日も8日もほとんど眠れなかった。





呼ぶ身内もいない。

ちいさなちいさな家族葬。




息子と自分だけで十分だと思ったが、ご厚意で社長さん、社員さんがいてくれたので本当にありがたく、心強かった。





パパらしく薄手の長Tシャツ、カーキ色のカーゴパンツ、ハゲ隠しのキャップ、5本指の靴下、長年愛用していたNIKEAIRを旅立ちの衣装とした。




息子と「パパはひまわりが似合うから」と3人家族を3本のひまわりで花束にして。




みぃたん、あじゅ、もも、ぷりん、くぅの写真。


息子が幼稚園の頃に事故った後に3人で道頓堀の船に乗った時に撮ってもらった家族写真。


そして。最後に乗らせてもらっていた赤いVOLVOの写真を入れた。





パパがシャワーに行く前にコンビニで買ったであろうお菓子に、持参したロールケーキをナプキンで包んで「食べようと思って買ってたお菓子、ちゃんと食べてね」とパパの手元に置いた。


大好きなコーヒーはペットボトルのキャップを開けてまた閉める事で飲ませる儀式になると言われたのでそれに則る。





自分がしっかりしなきゃと思って、棺が閉まる時に

「パパ行ってらっしゃい!!」と。

いつも仕事行く時にかける言葉がそのまま口に出た。

やっぱり返事がなくて涙が止まらなくなった。





斎場は車で5分くらいの所だった。




「それでは本当にお別れになります」と言われ




「パパ行かないで!!」「置いてかないで!!」と何回叫んだんだろう。



息子が泣きながら自分を支え「パパお疲れ様」と言った瞬間、炉の扉がおりた。





2時間くらい経って。





パパの肉体は真っ白な骨のみになってしまった。






心筋梗塞と聞いて心臓部分の骨は綺麗か?と確認したが、すごく綺麗だった。



「太くて立派な御骨ですね」と係の方が仰ってくれた。





ひとつひとつ説明して頂きながら、収骨していく。





「あとはお纏めして、またお呼びしますね」と言われた時。





右足の近くの小さく綺麗な御骨に手を伸ばした。





「まだ熱くないですか?」と聞かれたが、ぎゅっと握っても熱くは感じなかった。





そのまま口に入れた。





小さくなったパパを抱きしめながら社長の車に乗り込んだ。





そのまま帰阪すると思ってた。





気づくと1番最初に行ったスタンドに到着した。




「もう二度と来たくなかったのに…」とぎゅっと目をつぶってしまった。





助手席に座っていた社長が振り向き。




「俺の個人的な思いなんですが」




「○○さんが乗って帰るはずだったトレーラーに乗ってもらって『最後の仕事』にしてあげたいのですが良いですか?」





たった3ヶ月のお付き合いだったのに。





この3日間。本当に自分達に寄り添ってくださった。

そして最後の粋な計らいにまた泣いてしまった。





パパの本当に「最後の仕事」。

運転は出来ないけど、社長が運転する助手席に。

自分の腕に抱きしめられながら。

1週間ぶりに帰宅した。




ぷりんとくぅに「パパだよ」と見せた。

2人してすごいクンクンした。




「パパちっちゃくなっちゃったけど。

抱っこはもう出来ないけど、これからはずっとずっとぷんことくぅのそばにいるからね。」





不思議と2人の表情は優しく笑顔になった。





今までに経験した事がない、怒涛の3日前だった。







こんなに呆気なくいなくなるなんて思いもしなかった。






あれだけ「じじぃ」だの悪態ついてたからか。





「私がもっと優しくしていたら」

「もっといっぱい話していたら」




たらればが止まらない。






ここに書いてる事以上の事があったが、断片的にしか覚えてない。






これからやらなきゃいけない事が山積みだが。






踏み出せない自分がいる。




甘ったれてたんだ。




パパ。

いっぱいいっぱいごめんね。





パパ。

いっぱいいっぱいありがとう。






パパ。

あなたの体の1部は私の中にいるからね。




今更かも。






20年間本当にありがとう。