映画「PERFECT DAYS」 | てこの気まぐれ雑記帳

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グータラ婆が気ままに、日々の出来事や思ったこと、感じたことを、適当に書き綴っています。なんでも有りの備忘録的雑記帳です。

ルンルン今日の2曲=アニマルズ「朝日の当たる家」と 浅川マキ「朝日楼」

       

       

 

 

9日(火)0/10℃。晴晴れ

出掛けた時は空気が冷たくて風もあり、しっかりストールを首に巻いたけれど、帰る頃には寒さが緩んで、ストールは暑かった^^

 

近くのシアターでは公開していなかったので、映画「PERFECT DAYS」を観に浦和の「ユナイテッドシネマ」まで映画

東京・渋谷でトイレの清掃員として働く平山(役所広司)。彼は淡々と過ぎていく日々に満足している。毎日を同じように繰り返しているように見えるが、彼にとってはそうではなかった。毎日はつねに新鮮な小さな歓びに満ちていた。まるで風に揺れる木のような人生である。昔から聴き続けている音楽と、休日のたびに買う古本の文庫を読み耽るのが、歓びである。いつも持ち歩く小さなフィルムのカメラで木々を撮る。彼は木が好きだった。自分を重ねているのかもしれない。あるとき彼は、思いがけない再会をする。それが彼の過去にすこしずつ光をあてていく。(シネマカフェ「あらすじ」)

 

 

 

*私の映画視聴感想文はあくまでも備忘録。 完璧ネタバレですm(__)m

 

 

 

近所の老婆が通りを竹ぼうきで掃く音で目覚め、アパートの駐車場にある自販機の缶コーヒーが朝食、仕事道具を積んだ車で担当する渋谷区の公衆トイレに向かい、丁寧に便器や手洗い場や床を清掃する。昼はコンビニのパンを公園のベンチで食べ、仕事が終わったら銭湯の一番風呂に入り、夜は馴染みの飲み屋で一杯やって、文庫本を読みながら寝落ちする…平山正木(役所広司)の「毎日」だ。

 

カセットテープで音楽を聴き(一昔前の曲ばかりで懐かしい。特に最初の「朝日の当たる家」にはドキドキ♪)、フイルム式の古いカメラで木漏れ日を撮り、連略手段は「ケータイ」だけど、仕事以外では滅多に話さない…無口な平山だ。

 

昭和男の代名詞みたいな人間だけど、言動に振り回されながらも現代っ子タカシ(柄本時生)ともうまく付き合っている…温かい平山だ。

 

 

「後日は後日 今は今」…今はこの一瞬だけ、毎日同じようであっても実は新たな1日の始まりであり、常に新鮮な歓びに満ちている…幸せな平山なのだ。

 

 

人の住む居場所(実在的にも精神的にも)には、「あちらの世界」と「こちらの世界」がある。

あらゆるものが「金(かね)」で評価され、金持ちは勝組・貧乏人は負組、コスト的に良いか悪いかが判断基準な「こちらの世界」。

席が9割以上埋まっているという驚きのシアターだったが、年配の男性が独りで来ている姿も多かったのは、「こちらの世界」から出ることはできないけれど、「あちらの世界」へのあこがれがあるのではないかと想像した。

もちろん、「あちらの世界」で一瞬一瞬を楽しんで生きている…代表が平山だ。

 

 

平山の住む古い木造アパートと、平山の働く渋谷区の公園の超現代的なトイレとの差。

でも、どちらを否定するでもなく肯定するでもなく、古いものと新しいものが共存する都心という街の魅力を、下町浅草の風情や移動する平山の車が走る高速道路の風景で見せる、カメラワークが素晴らしい。

ドイツ人監督の、東京を見つめる目の奥深さを感じた。

 

 

セリフはほとんどないけれど、早朝の竹ぼうきの音、小鳥の鳴き声、風の音、雨の音、子どもの声、トイレ掃除の音、そしてカセットの音楽…音が重要な役目を担っている。

 

平山がよく行くスナックのママ(石川さゆり)が即興で歌うんだけど、さすがに上手いわ~! ギター伴奏するのは常連客のあがた森魚^^

トイレの近くの人通りの少ない所で、太極拳風ダンス(?)を舞うホームレス(田中泯)の存在感が凄い^^

 

仰向けに寝そべった平山の顏に落ちてくる文庫本、あるある^^

寝落ちしてしまう本はウィリアム・フォークナー『野生の棕櫚』、休みの日に古本屋で買ったのは幸田文『木』、平山の姪ニコ(中野有紗)が貸してと持って行ったのはパトリシア・ハイスミスの『11の物語』、、、、(『木』と『11の物語』は反対かも?)どれも読んでない^^;

 

とにかく役所の演技が光った作品だった。

朝の空を見るほんのり幸せそうな笑顔、人の姿を見つめる優しいまなざし、音楽を聴いている時の楽し気な表情、圧巻のラストの笑い顔…セリフがほとんどないのに、言葉以上の心情があふれている^^

 

第76回カンヌ国際映画祭で、役所広司が「男優賞」を受賞、日本人では「誰も知らない」の柳楽優弥以来19年振りの2人目。作品は「エキュメニカル審査委員賞」を受賞した。

 

監督=ヴィム・ベンダース

   渋谷区のトイレ改修計画「THE TOKYO TOILETプロジェクト」の一環として製作したそ     

   うだけど、なぜドイツ人の監督に? 日本人監督は誰も手を挙げなかったのか?

脚本=ヴィム・ベンダース、高崎卓馬

 

 

 

ランチは中華

映画終了が13時半。

シアターの入っているパルコ内の中華料理「ロプノール」でランチを。

ロプノールセット

冷菜三種盛合わせ、蒸し点心2個、黒酢酢豚、海老と青菜のあっさり炒め・ご飯・スープ、4種の中から選べるハーフ麵(夫=鶏肉つゆそば、私=雪菜つゆそば)。

点心で茄子は初めてかも、美味しかった。酢豚もスープも美味しい。エビと青菜は酢豚と一緒に食べるとあっさりしすぎ、こちらを先に食べればよかった。極細の雪菜つゆそばも、つゆは美味しいんだけどアピール力がなかったような。味見した鶏肉つゆそばの方が美味しかった^^;

タピオカ入りココナッツミルクのデザートは、お替りが欲しかった😋

 

半個室のようなテーブルだったので、ゆっくりと食事。

パルコ内をチョイブラしてから、浦和から西川口へ電車

16時に帰宅。

 

あしあと1万1200歩

 

夫は何故か「映画を観たら飲みたくなった」とビール1缶+赤ワイン4杯も飲んでご機嫌だったけれど、私は疲れた~。

吞んべえのお相手はそこそこに、ブロ友さんを訪問して早めに就寝ふとん1ふとん2ふとん3