PNT island 10 葛藤
PNT island 1 きっかけは一枚の写真
PNT island 2 一人旅とは
PNT island 3 船に乗るまで
PNT island 4 愉快な仲間達といざ出発
PNT island 5 船の様子とサーフポイント(NP,PL)
PNT island 6 PNTでのサーフィン以外の遊び 1
PNT island 7 PNTでのサーフィン以外の遊び 2
PNT island 8 美しき朝
PNT island 9 ずたぼろサーフ
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
傷だらけの体で俺は海を眺めていた。
空は青く、風は緩やかなオフショア。
セットが入ると島の突端にぶつかりそこから等間隔に完璧なチューブがブレイクする。
それはかなり長い距離を保ち、途中から急激な進路変更をしていままで俺に向かうように開いていた波の穴が島に向かって加速、島の浅いところで白い泡となって消えていく。
さっきまでの心意気は、あのリーフによって切り裂かれた。
まさかこんなにも浅いとは。
そりゃヘルメットを被るわけだ。
頭をぶつけなくて本当に良かった。
腹の傷がヒリヒリと痛んだ。
そしてこれからどうしようかと考えた。
実は波情報では明日のほうがさらにサイズが上がるとの予報がでていた。
約8ft
トリプルオーバーだ。
今日の予報は4.5-5-5.5ft
だったので予報通りになっている。
俺が折ってしまった板は、手持ちの中で一番長い板6.4、つまり一番サイズのある時に使おうと思っていた板だ。
それ以外の2本は両方とも5.11。
明日は強力な敵と対戦するのにマシンガンが壊れ小銃で相手と勝負しなければならない心境。
もし明日そのサイズで吹っ飛ばされたらどうしよう。
今日のこの傷はまだマシなほうになってしまうのだろうか。
俺大丈夫かな・・・。
リアルに不安になってきた。
そして目の前の波。
目の前の波を攻略できないのに明日の波は行ける訳が無い。
でも万が一また板を折ってしまったら。
2本のうち一本は新品なので傷は付いてもどうしても折らずに日本に持って帰りたい。
ならばあと一本。
今日折ってしまったら、明日はチャレンジできないからやはり今日はやめようか。
そのまえにまず脇腹の痛みもスネの流血も止まっていない。
あーーー、どうすればいい・・・・・・俺。
などと頭の中の葛藤がものすごい事になってきた。
椅子に座りながらそのもどかしい気持ちをもって割れ続ける美しい波の群れを眺めていたら、新しい船が来た。
そこにはガタイのいいおっさんのサーファーが二人に運転手とクルーという組み合わせだった。
オッサンの船は俺の船に近づいてきて俺に向かってコンディションはどうだい?
と聞いてきたので、「今朝からサイズアップしてきてかなりいいよ」教えた。
そして俺の傷だらけの体と、折れた板を見せた。
そしてオッサン一言
「welcome to one palm」
(ようこそ!ワンパームポイントへ!)
そして船はブロロロローッと去っていった。
後で聞いた話だが彼は過去にここで頭を打って何針も縫う怪我をしたのだった。
だから、お前もここの洗礼を受けたんだなという思いで言ってきたのだろう。
さすが外人、こういう時のさりげないセリフがカッコイイ。
で、オッサンはじっと波を眺めている。
完璧な波なのにしばらく考えた後、違う場所に移動していった。
さっきのニュージーランド人の船も少し前に移動していたのでそこをチェックしにいったのだろう。
潮がかなり引いていたので、波が良くてもスルーしたのだろうか。
その後も波を見ていたらキャプテンが他も見てみる?と言ってきたのでみんなが移動しNPというポイントを見に行った。
そこは俺が初めて来た日にサーフィンした場所だった。
もちろんそこもサイズがかなり上がっていると思うので一体どんな波になってるんだろうと思った。
ポイントにつくとサーファーは二人だけ、あとはみんな船の上で朝ご飯を食べたりのんびりしているようだった。
波は穏やかで、海にぽつんとサーファーが浮かんでいた。
5分、10分、15分、20分
波が来ない。
これではただの日焼けだよ、と思っていたらようやくセットが入ってきた。
サイズは頭半くらい、2本来てそのうちの1本にさっきのオッサンがテイクオフ。
距離は短いがコンパクトなチューブを綺麗にメイクしていた。
オッサンやるな~。
頭怪我してもここにくるくらいだからこの島の常連なんだろう。
セットの過ぎ去った海はまた穏やかになっていた。
フラットに近い状態で。
このポイントは島のかなりくぼんだ場所にあるので今日のウネリの角度では波が入りずらいのだろうか、それとも潮が引きすぎているせいで波がこないのだろうか。
静かな海、その海を眺める俺にキャプテンが違う場所も見る?
と言ってきた。
この一言が俺のサーフトリップの経験の中で一番の九死に一生の思いをする事になるなどとはこの時知る由もなかった。
つづく
PNT island 2 一人旅とは
PNT island 3 船に乗るまで
PNT island 4 愉快な仲間達といざ出発
PNT island 5 船の様子とサーフポイント(NP,PL)
PNT island 6 PNTでのサーフィン以外の遊び 1
PNT island 7 PNTでのサーフィン以外の遊び 2
PNT island 8 美しき朝
PNT island 9 ずたぼろサーフ
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傷だらけの体で俺は海を眺めていた。
空は青く、風は緩やかなオフショア。
セットが入ると島の突端にぶつかりそこから等間隔に完璧なチューブがブレイクする。
それはかなり長い距離を保ち、途中から急激な進路変更をしていままで俺に向かうように開いていた波の穴が島に向かって加速、島の浅いところで白い泡となって消えていく。
さっきまでの心意気は、あのリーフによって切り裂かれた。
まさかこんなにも浅いとは。
そりゃヘルメットを被るわけだ。
頭をぶつけなくて本当に良かった。
腹の傷がヒリヒリと痛んだ。
そしてこれからどうしようかと考えた。
実は波情報では明日のほうがさらにサイズが上がるとの予報がでていた。
約8ft
トリプルオーバーだ。
今日の予報は4.5-5-5.5ft
だったので予報通りになっている。
俺が折ってしまった板は、手持ちの中で一番長い板6.4、つまり一番サイズのある時に使おうと思っていた板だ。
それ以外の2本は両方とも5.11。
明日は強力な敵と対戦するのにマシンガンが壊れ小銃で相手と勝負しなければならない心境。
もし明日そのサイズで吹っ飛ばされたらどうしよう。
今日のこの傷はまだマシなほうになってしまうのだろうか。
俺大丈夫かな・・・。
リアルに不安になってきた。
そして目の前の波。
目の前の波を攻略できないのに明日の波は行ける訳が無い。
でも万が一また板を折ってしまったら。
2本のうち一本は新品なので傷は付いてもどうしても折らずに日本に持って帰りたい。
ならばあと一本。
今日折ってしまったら、明日はチャレンジできないからやはり今日はやめようか。
そのまえにまず脇腹の痛みもスネの流血も止まっていない。
あーーー、どうすればいい・・・・・・俺。
などと頭の中の葛藤がものすごい事になってきた。
椅子に座りながらそのもどかしい気持ちをもって割れ続ける美しい波の群れを眺めていたら、新しい船が来た。
そこにはガタイのいいおっさんのサーファーが二人に運転手とクルーという組み合わせだった。
オッサンの船は俺の船に近づいてきて俺に向かってコンディションはどうだい?
と聞いてきたので、「今朝からサイズアップしてきてかなりいいよ」教えた。
そして俺の傷だらけの体と、折れた板を見せた。
そしてオッサン一言
「welcome to one palm」
(ようこそ!ワンパームポイントへ!)
そして船はブロロロローッと去っていった。
後で聞いた話だが彼は過去にここで頭を打って何針も縫う怪我をしたのだった。
だから、お前もここの洗礼を受けたんだなという思いで言ってきたのだろう。
さすが外人、こういう時のさりげないセリフがカッコイイ。
で、オッサンはじっと波を眺めている。
完璧な波なのにしばらく考えた後、違う場所に移動していった。
さっきのニュージーランド人の船も少し前に移動していたのでそこをチェックしにいったのだろう。
潮がかなり引いていたので、波が良くてもスルーしたのだろうか。
その後も波を見ていたらキャプテンが他も見てみる?と言ってきたのでみんなが移動しNPというポイントを見に行った。
そこは俺が初めて来た日にサーフィンした場所だった。
もちろんそこもサイズがかなり上がっていると思うので一体どんな波になってるんだろうと思った。
ポイントにつくとサーファーは二人だけ、あとはみんな船の上で朝ご飯を食べたりのんびりしているようだった。
波は穏やかで、海にぽつんとサーファーが浮かんでいた。
5分、10分、15分、20分
波が来ない。
これではただの日焼けだよ、と思っていたらようやくセットが入ってきた。
サイズは頭半くらい、2本来てそのうちの1本にさっきのオッサンがテイクオフ。
距離は短いがコンパクトなチューブを綺麗にメイクしていた。
オッサンやるな~。
頭怪我してもここにくるくらいだからこの島の常連なんだろう。
セットの過ぎ去った海はまた穏やかになっていた。
フラットに近い状態で。
このポイントは島のかなりくぼんだ場所にあるので今日のウネリの角度では波が入りずらいのだろうか、それとも潮が引きすぎているせいで波がこないのだろうか。
静かな海、その海を眺める俺にキャプテンが違う場所も見る?
と言ってきた。
この一言が俺のサーフトリップの経験の中で一番の九死に一生の思いをする事になるなどとはこの時知る由もなかった。
つづく

