transit -154ページ目

PNT island 9 ずたぼろサーフ






PNT island 1 きっかけは一枚の写真






PNT island 2 一人旅とは








PNT island 3 船に乗るまで







PNT island 4 愉快な仲間達といざ出発







PNT island 5 船の様子とサーフポイント(NP,PL)








PNT island 6 PNTでのサーフィン以外の遊び 1






PNT island 7 PNTでのサーフィン以外の遊び 2





PNT island 8   美しき朝




----------------------------------






朝まだ太陽が上がりはじめた海の上で割れる完璧な波。





そのときの興奮はとても簡単には言葉で表せないものだった。


海には昨日来たばかりのサーファー達が数人。


アウトからセットが入ると自然が造り出すうっとりするようなチューブの波が割れ、
それはかなりの長い距離であった。


このシュチュエーションは自分の今までのサーフトリップの経験の中でも多くはない。


波が良くても人が多い、人は少ないけど波はまあまあ。


サーフトリップを愛する世界中のサーファーは今日もどこかでインターネットと自分の経験、勘を頼りに”いい波”を探し求め旅をしている。


なのにここには彼らがうらやむような、魅力的な波が有り余るほどの素晴らしいサーフコンディションだった。

本当にここまで来た甲斐があった。


海の状況を見る。サイズはセットで頭~頭半くらいだろうか。



船からピークまではかなり距離があるので用意をしながら先に入っているサーファーを見る。

するとなにか異変に気がついた。



あれ!?



うそ!?






よく見るとサーファー達はこの赤道から近い一年中夏のインドネシアで、フルスーツにヘルメットをかぶっているではないか。





そして思い出した。



ここの情報をネットで調べていたら、you tubeの映像でまぁヘルメットをかぶっているヤツが多かった。
過去にここに来た日本人のブログを見たら、肩くらいのサイズでワイプアウトしあばらの骨にヒビがはいっていた。




海外で全然浅くもないのにヘルメットをかぶっている外人のおっさんを見かけるので、それと同じ事くらいに思っていたが、どうやらこのポイントは違うらしい。


若くて上手そうなサーファーがヘルメットを被り、さらにその身を守るために海パンでサーフできるこの海でわざわざウエットス-ツを着ているのだからこれはガチで危険な場所なんだと思った。


おかげさまでおめでたい俺はヘルメットもウエットフルスーツも持ってきていない。


あるのはブーツと上半身を保護するタッパーに海パン、そしてここまできたんだからやってやろうじゃねーか!!というこれまたおめでたい心意気。




俺が持てる全ての装備で海に入る頃、ラインナップしていた数人は船に戻ってきて代わりに別の仲間のサーファーがパドルアウトしていた。



俺もパドルアウト、ピークに近づけば近づくほどそれはあまりにも美しく、料理ならA5ランクの牛肉、大トロ、松茸食べ放題といったヨダレ物の波だった。




 transit







 transit







 transit









ピークには4人のサーファーが。

一人だけヘルメットを被っていないヤツがいて、すこしホッとした。

でもそいつもスプリングをきていて俺より若干装備はいい。

セットがくるまでの間、談笑する外人達。


そこにしっかりとしたウネリが。


ヘルメットを被っていないヤツがそのウネリにむかってパドルし、奥からテイクオフ。

ボトムに降りて体勢を波のフェイスに寄り添うように整えあとは綺麗にその水のトンネルに包まれていく。


その後は波の裏側からなのでわからないがどうやらメイクしたみたいでかなり長い時間のあと、プルアウトしていた。


その次のセットにまた別のヤツがテイクオフ、その次、と順番にテイクオフしていき

俺の番に。


感覚としてはボトムからえぐれるように水を集めて割れるドカッ掘れチューブというよりは、ブレイクする速度が遅くも早くもない優しい割れ方。


なので怖くもなく普通にテイクオフ。



波はレフトなので俺はまず少し走ってから体をゆっくり丸めていった。


自然と体がチューブに包まれていくイメージではいたが、かなりラインの先まで波がカールしはじめたのでこれは入っても捕まって洗濯機状態だと思い、板を引くが遅し。


俺はそのまま引きずられて波にもみくちゃにされた。


インサイドまでもっていかれたので、足を伸ばすとそこには海底のリーフが。


やっぱり浅いな~と思いながら、また沖へでた。


先ほどの外人達が沖でまたセットを待っている。


話しかけると、ニュージーランド人だった。


会社の同僚で、仕事の休みを利用してきたらしい。

どんな社員旅行だよっ!と思ったがサーフィン業界の会社かもしれない。

唯一ヘルメットを被ってないヤツはここにくるのは二回目で、グーフィーフッター。
見た感じ一番上手そうだった。

レフトのチューブの波はグーフィースタンスのヤツにとってはレギュラースタンスのヤツよりも断然有利で、波側に顔が向いているので波全体を把握しやすいしスピードをつけやすい。

そして見事に外人さん達みんなグーフィーフッター。


俺だけレギュラーかよっ!!と三村マサカズばりのツッコミを心の中でしていた。


そしてセットがやってくる。


また外人達が乗って行き俺の番。

さっきみたいなミスをしないよう、チューブメイクよりもとりあえず走ってこのポイントの波の割れ方を少しずつ掴んで行こうと思った。


波は肩ちょいで、無難に走ってプルアウト。もう一本同じような波に乗った。やはりそれくらいのサイズではチューブになりにくい。
やはり頭オーバーないと。


サイズが小さいのだと、少しはしったらかなり浅いところまでいってしまうようなので外人達もインサイドではアクションをせずに走るだけ走ってからプルアウト。あそこでこけたらメチャクチャ浅いリーフに体をぶつけてしまうのだろう。


ありがたいことに、この人数では波を選んで乗れる。

だから次はデカそうなセットをしっかりつかんで、間違いなさそうなのを選ぼうと決めた。




アウトでしっかり波を待ち、ようやく来た大きめのセット。

頭半ちかくありそうだ。

全速力でパドルしてテイクオフ。


ボトムに降りながらスピードをつけていく。

レールがはいって、車のギアが入るように板と自分はスピードにのっていく。

気持ちいい、非常に気持ちがいい。


そして後はチューブをメイクするだけと体勢を変えていった瞬間、自分が予測していたラインより急激に波がどんどん内側にシフトしてきた。





あれ!?



あれれ~~~!?







これヤバくない!?とその1、2秒の間に自分は波のリップあたりにいてそのまま波にもっていかれてボトムに飛ばされた。

その瞬間、横っ腹に激痛が。


そう俺が叩き付けられたのは海面ではなく、海底。

相当浅いところでブレイクしていたのだった。



見事に珊瑚礁に叩き付けられた。しかも叩き付けられる前にタッパーがめくれ上がってダイレクトに上半身を打ち付けてしまった。

あ、やっちゃったな~と思ったが、そんなこと言ってる場合じゃない。
次の波がきてさらに俺を吹っ飛ばし、珊瑚の上でゴロゴロ~と転がされたらたまったもんじゃないと思い沖にでようとリーシュをたぐり寄せて板を見たらこれまたビックリ!!!!






板の上半分が無い。






うそ~~~ん。



綺麗に真っ二つに折れてそのままどこかに流されたみたいだ。


しかし落ち込んでる暇もなく、泳ぎはじめた。


俺の船はかなり遠くにあったがとにかく泳いだ。


波がこない場所まで行き、そこで痛みのひかない脇腹を見る。

これが見事に傷だらけ。

あ~あ、やっちまった~~と思いながら船まで泳いだ。


クルー達は俺の怪我を見て心配そうにしていたが、気を使わせてもしょうがないので全然大丈夫!!!と笑い飛ばして傷口を水で綺麗にしてから化膿止めを塗った。







 transit








さっきは気がつかなかったがスネもいい感じで流血。






 transit








その足下には今回波がデカイ時用に持ってきていた6'4の下半分の板が残念な感じで置いてあった。



 transit




 transit











ボクシングでいうならあまりにもあっけない1ラウンドKO負けといった戦いだった。







つづく




ーーーーーーーーーーーーー








おまけ

この時の波の様子をI phoneのムービーで撮りました。

画質悪く遠いアングルですが。






pnt 1






pnt2