今日は、宝仙学園中学校共学部理数インター(適性検査型入試)で出題された「約束記号に関する問題」を紹介します。
適性検査ではよく出題される問題です。
親子で挑戦してみてください!
次の文章を読んで、あとの各問いに答えなさい。
お父さん:数也、今日は新しい計算の記号を考えてみたから、その話をしよう。次の△の記号はある法則を表しているんだけど、どんな法則かわかる?
2△2=4 2△3=8 2△4=16 2△8=256
3△2=9 4△2=16 7△2=49 8△2=64
数也くん:2×2=4だからかけ算だと思ったけど、2×3=6だからちがうな。わからないよ。どんな法則なの?
お父さん:これはね、△の前の数を、後ろの数の回数だけかけ算するという法則だよ。
2△2は2を2回かけるから2×2=4
2△3は2を3回かけるから2×2×2=8
3△2は3を2回かけるから3×3=9
だね。ほかの例もこれでわかったかい?
数也くん:なるほど!そういう法則があったのか。2×2=4が合っていたのはたまたまだったんだね。
例えば7△2は、7を2回かけるから7×7=49だ!
お父さん:よくわかったね。
〔問題1〕
5△「 ア 」=625の「 ア 」に当てはまる数を答えなさい。
数也くん:お父さん、2△4と4△2は両方とも16になっているけど、△の前と後ろの数を入れかえても、計算結果って同じになるのかな?
お父さん:面白いことに気づいたね。でもよく見てごらん。2△3と3△2や、2△8と8△2は計算結果がちがうよね。
数也くん:本当だ。でもなんで同じになったのかな?
お父さん:4△2は、どういう計算をするんだったっけ?
数也くん:4を2回かけるから、4×4=16だよ。
お父さん:そうだね。そして、4は2×2だから……?
数也くん:そうか!4×4は(2×2)×(2×2)とも書き表せるから、2を4回かける2△4と同じになるんだね!
お父さん:そうだね。ちがう式でも同じ計算結果になるものが他にもありそうだね。
〔問題2〕
9△3=「 イ 」△「 ウ 」の「 イ 」、「 ウ 」にそれぞれ当てはまる整数を2組答えなさい。
また、その考え方を、会話文を参考にして説明しなさい。
数也くん:じゃあお父さん、(2△5)×(2△3)のようなかけ算もできるの?
お父さん:できるよ。これは2△8と同じだね。
数也くん:えっ、2△8と同じ?どういうこと?
お父さん:この計算を、2が何回かけられているかに注目して考えてごらん。
数也くん:2△5は2が5回、2△3は2が3回かけられていて……わかった!全部合わせると2が8回かけられているから、2△8と同じなのか!
お父さん:そうだね、2△8は最初の例にあるから256だね。
数也くん:かけ算なのに足し算するんだね。面白い!
〔問題3〕
(4△3)×(2△5)=2△「 エ 」の「 エ 」に当てはまる数を答えなさい。
お父さん:実はこの記号を使った魔方陣を考えてみたんだ。この間、学校の授業でも魔方陣をやっていたよね?
数也くん:うん、やったよ。縦横ななめ、どの1列の3つの数を足しても同じ数になるって決まりがあるんだよね。この間はこんな魔方陣だったかな(図1)。どの列を足しても15になっているね。
図1
お父さん:そうそう。お父さんが作った魔方陣はこれだよ(図2)。
図2
数也くん:…・・・えっ、なにこれ?
お父さん:数の代わりに、今日勉強した△の記号を使った式で作った魔方陣だよ。
しかもこの魔方陣は、縦横ななめの足し算の結果が同じ数になる魔方陣ではなく、縦横ななめのかけ算の結果が同じ数になるお父さん特製の魔方陣さ!
数也くん:えっ、足し算じゃなくてかけ算なの?なんだか急に難しくなった気がするな……。
〔問題4〕
(図2)の魔方陣の「 オ 」に入る△を使った式を1つ答えなさい。
宝仙学園中学校共学部理数インター 適性検査Ⅱ (2022年)
□解答・解説
〔問題1〕
625=5×5×5×5となり、5を4回かけているので、5△4となります。
4 ……(答え)
〔問題2〕
9△3は9を3回かけるので、9△3=9×9×9=3×3×3×3×3×3となります。
これを3が6回かけられているとみると、3△6になり、3を3つずつ区切ると(3×3×3)×(3×3×3)=27×27=27△2になります。
また、9×9×9=729×1とみると729△1になります。
(イ,ウ)…(27,2)、(3,6)、(729,1) ……(答え)
※このうち2組を書けば正解です。
考え方は、以上をまとめて次のようになります。
9△3=9×9×9=3×3×3×3×3×3となるので、3を3つずつ区切ると、(3×3×3)×(3×3×3)=27×27=27△2になり、3が6回かけられているとみると、3△6である。
〔問題3〕
4△3は4を3回かけるので、4△3=4×4×4=2×2×2×2×2×2
2△5は2を5回かけるので、2△5=2×2×2×2×2
となります。
よって、(4△3)×(2△5)=2×2×2×2×2×2×2×2×2×2×2より、2が11回かけられているので、2△11となります。
11 ……(答え)
〔問題4〕
8△2=8×8=2×2×2×2×2×2=2△6
4△2=4×4=2×2×2×2=2△4
となります。
これより、(図2)を「2△」の右の数を書き直すと、(図3)のようになります。
(オ)を(カ)とします。
(図3)のマスの数は、(図1)と同じになっているので、(カ)は9になることがわかります。
よって、(オ)は2△9になります。
2△9=2×2×2×2×2×2×2×2×2となるので、
2を3つずつ区切ると(2×2×2)×(2×2×2)×(2×2×2)=8×8×8=8△3、
また、2△9=512×1とみて512△1でも正解です。
2△9(または、8△3、512△1) ……(答え)
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