★適性検査 資料分析問題 要約!「水産業」に関する問題 | 恋する中高一貫校 適性検査 徹底攻略!

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中高一貫校 適性検査の資料分析問題では、

特に、

水産業、農業、工業、林業、情報(インターネット)、エネルギー・電力、食に関するテーマが多く出題されています。

 

今日は、その中のテーマの1つである「水産業」について、要約した解説を紹介します。

 

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2015 年 青森県立三本木高等学校附属中学校

 

■出題タイプ

・知識を必要としない資料から答えを導くタイプ
・会話文・資料中にヒントがある理由を記述するタイプ

 

 

■出題資料タイトル
・潮目で「うず」ができている様子
・漁業別の魚介類の生産量(日本)
・養殖業のえさの改良
・サバの生産量の変化
・えさを使った養殖漁場の様子

 

 

■この問題を通して知っておきたい知識・ポイント

 

・日本の周りには,暖流にのってあたたかい海にすむ魚介類や寒流にのって冷たい海にすむ魚介類がやってくるため,よい漁場になっている。

 

・暖流と寒流がぶつかるところを「潮目(しおめ)」といい,潮目では,魚介類のえさとなるプランクトンが増える。

その理由は,
暖流と寒流がぶつかる潮目では「うず」ができる。その「うず」によって,プランクトンのえさとなる養分をふくんだ土が海底からまい上げられ,海の中に養分が多くなるため。

 

・遠洋漁業は,外国の海でとる魚の量が厳しく制限されたため生産量が減ってしまった。

 

・沿岸漁業や沖合漁業の生産量が減ってしまった原因の一つは,産卵できる魚をとりすぎてしまったため。

 

★養殖業では,下記のようなえさの改良が行われている。

・生えさ(生魚の切り身)による食べ残りは海を汚し,魚の生育環境を悪化させてしまう。
そこで,魚粉や小麦粉などの原料を集めてまとめ,水にとけにくくうかびやすいえさに改良する。

 

さらに,魚が病気にならないように,えさにビタミンなどの栄養や薬を混ぜるなどの工夫も行われている。

 

★2010 年の漁業別の魚介類の生産量は

1位:沖合漁業
2位:沿岸漁業
3位:養殖業
4位:遠洋漁業
となり,

遠洋漁業の生産量は,養殖業の半分以下となっている。

 

 

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2015 年 京都府立福知山高等学校附属中学校

 

■出題タイプ

・知識を必要としない資料から答えを導くタイプ
・知識を必要とする選択タイプ
・知識を必要とする理由を記述するタイプ
・知識を必要とする用語タイプ

 

 

■出題資料タイトル
・漁業の種類
・漁業の種類別生産量の変化
・生産量の移り変わりの特徴
・働く人の年齢層別割合(%)

 

 

■この問題を通して知っておきたい知識・ポイント

 

・遠洋漁業は,港から遠くはなれた海で長期間にわたっておこなう漁業。

 

・沖合漁業は,日本の近海で10 トン以上の船を使って数日がかりでおこなう漁業。

 

・沿岸漁業は,海岸やその近くでおこなう漁業。

 

・1970 年代後半ごろから,世界では各国が200 海里水域(排他的経済水域)を設定するようになった。

これにより,それまで自由にできていた漁業が制限されるようになり,遠洋漁業の生産量は減少していった。

 

その理由は,各国が沿岸200 海里を設定したことで,それまで自由にできていた漁業が制限されるようになったから。


・つくり育てる漁業の代表的なものに,「養殖業」と「栽培漁業」がある。
この2つの漁業の方法のちがいは,養殖業では稚魚が成魚になるまで人がエサを与えて育てるが,栽培漁業では稚魚をいったん海や川に放流して自然にかえし,成魚となったものを漁獲する。

 

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2015 年 和歌山県共通

 

■出題タイプ
・知識を必要とする理由を記述するタイプ
・知識を必要とする考えを記述するタイプ

 

 

■出題資料タイトル
・漁獲量の多い都道府県ベスト5(単位万t)

 

 

■この問題を通して知っておきたい知識・ポイント

 

・漁獲量が一番多いのは,北海道,その次は,長崎県となる。

 

・宮城県では,北海道でとれる魚も,静岡県や三重県でとれる魚もとれる。

その理由は,日本の太平洋側には,暖流の日本海流と寒流の千島海流が流れていて,その海流にのり,あたたかい海にすむ魚と冷たい海にすむ魚の両方が宮城県近くの海域に集まってくるから。

 

・日本の漁かく量は,昔と比べると,減少している。

その理由の1 つとして,魚のとりすぎが考えられている。
そのため,全国的に魚を増やすいろいろな取り組みが行われている。

 

・小さな魚を獲らないように網の目を大きくする。

 

・休漁日をつくる。

 

・小さな魚は海に逃がす。

 

・小さな魚が多くいる場所では,漁をしないようにする。

 

・たまごから育てた稚魚を海に放流し,自然の中で大きくなったらとるさいばい漁業を行う。

 

・人工的に魚が生活する場所をつくったり,魚が育ちやすい環境を整える。
などがある。

 

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2016 年 宮城県共通

 

■出題タイプ
・知識を必要とする理由を記述するタイプ
・知識を必要とする考えを記述するタイプ

 


■出題資料タイトル
・漁業生産量全体に対する各漁業生産量の割合

 

 

■この問題を通して知っておきたい知識・ポイント

 

・遠洋漁業は,この30 年で生産量が急激に減った。

その理由は,
排他的経済水域が設定されたことで,外国の沿岸から200 海里内の海での漁が制限されるようになったため。


・養殖業の生産量が安定しているのは,天候や,天然の水産資源の減少に左右されにくく,計画的に生産することができるため。

 

・商品のパックについているラベルに書かれた番号によって,産地や生産者などを調べることができる。
このしくみをトレーサビリティという。生産者がトレーサビリティを提供することで,消費者は安心して商品を買うことができるという利点がある。

 

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2016 年 千代田区立九段中等教育学校

 

■出題タイプ
・知識を必要としない資料から答えを導くタイプ
・会話文・資料中にヒントがある理由を記述するタイプ

 


■出題資料タイトル
・日本周辺図
・排他的経済水域と国土の面積の順位
・瀬戸内海のさわらの年別漁獲量

 


■この問題を通して知っておきたい知識・ポイント

 

・日本の国土は4 つの大きな島とたくさんの小さな島からなる。
北のはしは択捉島,西のはしは与那国島,南のはしは沖ノ鳥島で,東のはしは南鳥島。

 

・日本の国土の面積は世界で62 位であるが,排他的経済水域の面積は世界で6 位となる。

 

・日本は,国土の面積に対して,排他的経済水域の面積が広い。
その理由は,日本の本島が細長い形をしていて,海岸線が長いため。また,日本の離島が広く分布しているため。

 

・排他的経済水域とは,その国が魚などの水産物や石油などの天然資源をとったり管理する権利を持つ水域のこと。


・日本の漁業は排他的経済水域だけで行われているのではなく,遠くの海に魚をとりに行く遠洋漁業も行われている。

 

 

・日本全体の漁獲量は,昭和60年ごろを最高として,減少傾向にある。
その理由は,

・外国の沿岸から200海里内の海での漁が制限されるようになった。

 

・水産資源を保護するため,魚をとる量が制限されるようになった。

 

・魚をとりすぎて数が減ってしまったこと。

 

・自然環境が変化したこと。
などがある。

 

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2016 年 滋賀県共通


■出題タイプ

・知識を必要としない資料から答えを導くタイプ
・会話文・資料中にヒントがある理由を記述するタイプ

 

 

■出題資料タイトル
・滋賀県の漁獲量・養殖業の収穫量・漁業で働く人の数の変化

 

 

■この問題を通して知っておきたい知識・ポイント

 

★さいばい漁業と養殖業の比較

さいばい漁業では,川に稚魚を放流して成魚となったものを,海や湖,川で漁獲する。放流した稚魚数に比べて,漁獲できる成魚数の割合が小さい。
養殖業では,稚魚から成魚までいけすの中で,人間の手で育てて水あげする。そのため稚魚数に対して大きな割合の成魚を水あげすることができる。

 

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2016 年 奈良県立青翔中学校

 

■出題タイプ

・会話文・資料中にヒントがある理由を記述するタイプ
・知識を必要とする選択タイプ

 

 

■出題資料タイトル
・日本近海の海流のようす

 

 

■この問題を通して知っておきたい知識・ポイント

 

・日本の近海がよい漁業である理由は,暖流と寒流がぶつかる潮目があり,魚のえさとなるプランクトンが多く,集まる魚の種類も多いから。

 

★近年,魚のとりすぎや漁場の環境悪化などが原因で,日本の漁獲量が減ってきている。

 

減ってきた魚の資源を増やすために,各地で行われている工夫は,

・あみの目を大きくして,一定の大きさよりも小さな魚はとらないようにする。

 

・魚を卵からかえして海に放し,大きくなってからとる,さいばい漁業を行う。

 

・魚の種類によっては, 休漁期間をもうける。
などがある。

 

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2017 年 宮城県共通・宮城県仙台二華中学校

 

■出題タイプ
・会話文・資料中にヒントがある理由を記述するタイプ

 

 

■出題資料タイトル
・日本のカキの水揚げ量
・地図 宮城県の沿岸北部

 

 

■この問題を通して知っておきたい知識・ポイント

 

・日本のカキの水揚げ量は,1位が広島県,2位が宮城県,3位が岡山県となり,この3県で日本のカキの水揚げ量の約80%を占めている。

 

・瀬戸内海や宮城県の沿岸北部の湾では,カキの養殖が盛んである。
その理由は,
波が穏やかで,いかだを安全に設置できるため,
海水の温度が適しているため,
川の上流に森林があり,そこから流れ出た養分をふくんだ水が,川によって湾に運ばれるため,
などがある。

 

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2017 年 福島県立会津学鳳中学校

 

■出題タイプ
・知識を必要とする理由を記述するタイプ

 

 

■出題資料タイトル
・日本の漁業別の生産量の変化

 

 

■この問題を通して知っておきたい知識・ポイント

 

・さいばい(栽培)漁業とは,人間の手で魚や貝の卵をかえして, 海に放流し,自然の中で育ててからとる漁業をいう。

 

・トレーサビリティとは,食品の流通経路を生産段階から消費者に届くまでの過程が記録され,追跡が可能なしくみをいう。

 

・養殖業でも,このトレ一サビリティのしくみが整えられてきている。
その理由は,
だれが,どこで生産したのかがわかるので,消費者は安心して買うことができるから。

 

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2017 年 熊本県共通

 

■出題タイプ
・知識を必要とする理由を記述するタイプ
・知識を必要とする考えを記述するタイプ

 

 

■出題資料タイトル
・日本の漁業別の生産量の変化
・日本の漁業生産量全体に対する各漁業生産量の割合の変化

 

 

■この問題を通して知っておきたい知識・ポイント

 

・養殖業を見ると,1970 年以降,生産量の割合が増えている。
その理由は,養殖業は漁場の制限や天気などに左右されることなく,生産量が安定しているから。

 

★将来にわたって水産資源を守り育てていくために,
・水産物をとる量を考えて漁業を行う,

 

・海岸や海中のごみを拾い,海の環境を守る,

 

・国内だけでなく,世界の国々と水産物のとり方やとる量について話し合う,

などの取り組みが必要となる。

 

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