今日は死ぬのにもってこいの日 -17ページ目

あなたを廃人にする魔法の液体

本格的に酒を飲み始めたのは、18歳のときだった。

その頃の飲み方は無茶苦茶で、料理酒のような
安い酒をひたすら煽るというものだった。

当然、満足なつまみなどあるはずもない。

自宅には安いウィスキーの小瓶をいつも常備しており、
気が付いたときには空になっていた。

空き瓶は机と壁の隙間の空間にひたすら隠していた
のだが、ある日見てみると信じられない量が出てきた。

いま、思うとあの頃はアル中だったと思う。
アルコールを流し込まなければ眠りにつけなかったし、
また不安になった。

飲めば必ず泥酔して意識を失うまで飲んでいた。
記憶をなくし、事件になりそうになったことも何回かある。

気が付けばアルコールの影響で精神が不安定になり
うつ病と不安神経症を患っていた。

強烈なクスリをアルコールで流し込む日々・・。

もう「廃人」になりかけていた。


アルコール依存症の最も深刻な問題は肉体的な
依存ではなく、精神的な依存だそうだ。

つまり、手の奮えや肝臓の数値は断酒すれば治るが、
精神的な渇望は生涯をかけて克服するということだ。

だから、断酒した多くの人は「一杯だけ・・」と飲んで、
失敗していった。

精神的な空白を埋める為にアルコールを流し込む
という作業が、いつの間にかアルコールを飲むことが
目的化していくのだ。

この場合、飲んでも飲んでも空白は満たされないし、
飲むそばから頭に空いた穴からドボドボとこぼれていく。

僕自身はこの無茶苦茶な時期を25歳頃ぐらいに
卒業した。

実に7年間も尋常じゃない量を飲み続けたわけだ。

今でもたまに酒は飲むが、もう泥酔することはほとんど
ない。

では、どうやって克服したか?

いろいろと細かい要素はあるのだが、たった一言で
シンプルにすると、

「もう俺は酒に飲まれることを止める」

と、コミットメントしたことだ。

コミットメントとは人生のすべてをかけて、それを達成
すると決意することだ。

そして、酒以上に自分に必要なものをひとつだけ
設定する。

僕の場合は新しいパートナーだった。

彼女が酒は一滴も飲めなかったので、彼女を失うの
が嫌な一心で、飲酒の習慣を止めた。


酒と対等に付き合って気付いたことがある。

こいつ自体は良くも悪くもない、すべては自分の責任
だってことだた。

現実に疲れたときは、身体をあたためてくれる。
目を開かせたまま夢へと誘ってくれる。

だから、僕はこれからもこいつと付き合うことに決めた。


コントロールできる領域が一つ増えると、
人はまた少しだけ自由になれる。

そして、自由になればなるほど
僕らは真にやりたいことが見えてくる・・。


最後まで読んでくれて、ありがとう。