V.A./Ohrenschmalz
今ではまずありえないラインナップだがノイズという音楽ジャンルがまだ未分化であった頃はこの様なコンピレーションアルバムが惨殺された娼婦の死体写真を麗々しく表紙とした上でリリースされていた。
レーベルオーナーによるものと思われる陰鬱なイントロから、流麗な音の流れで暗黒美を現出させるHuman Flesh、荒涼とした大量殺戮の場を活写するかのようなMental Destruction、コンピューター時代に生まれた都会の呪術師Sigillum S、一方は女預言者を連れ歩く放浪者Mental Measuretech、完全に暗黒と一体化しているNightmare Lodge、カタコンベを彷徨するかのようなBrighter Death Now、十分に均された下地の上で三味線→語り→絶叫をかますMasonna(全く違和感なし)までがA面。
ロマンティックな前奏からハーシュノイズになだれ込むControlled Bleeding、不吉な何かが上空を旋回し続けるPhallus Dei、段階を踏みながらじわりじわりと己のフィールドを作り上げていくMerzbow、死者が延々とスピーチを行っているようなGenocide OrganがB面を締める。
昔はノイズとほぼ一括りに呼ばれていたものの分化が激しい。これは分かりにくさをそのままにして置けない「大衆」の妄動なのか、プレイヤー側からの態度表明なのか。議論好きの方々には一家言あるだろうが、かつてあった豊かな土壌が消えてしまった(代わりに別の場所が豊饒になったとしても)ことは確かと思う。










