駅のカピタン、今、ほんとにファイナル | 余生庵 カラスの晴耕雨・読ぶろく…クンセイが肴

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残り少ない余生をテキトーにいきていくブログ
◇監修 左上野 老鶴 ◇GM 経田野 横鋤 ◇照明 当代元 蔵志
☆余生を送っている人間が書いている記事ですので、恐縮ですが
 「記事更新頑張りましょう」といったコメントにはお返事できま
  せん。

皆様、毎回毎回要領が悪くて・・・
では、帝都空襲二次攻撃隊が全滅した報が入った米大統領室からです。
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Ⅱ’ー2 続き
「何てことだ・・・仕方がない。ではマンハッタン計画を発動しよう。

ご参集の諸君。はじめの協議通り一回目の投下弾は京都でいいかね?
(どーやら、ホントーの話らしいです:長く首都であった京都が灰燼に帰すれば
日本人の戦争に対する士気は相当下がると考えられていました。
文化財保護を訴え反対した人はごく少数だったようです)。

そして私は2発目をアタミとしたい。」

「アタミ?」

「そう。東京から西へ100kmの温泉地だ。西にもう少し行けば、富士山の陸軍演習場がある。
それから私の本作戦の仕上げは太平洋第五艦隊を以ってして東京湾を埋め尽くし、日本に大戦の
降伏を迫るつもりである。

それには、<死の灰>が我が国の艦隊にかぶることだけは避けたい。そして、原爆の振動で、
富士山を活火山化させて余分な災害を起こしてはならない。

本来なら帝都そのものあるいは横浜あたりを2回目投下地に選びたいが、原爆の影響が
恐ろしい・・・かと言って帝都から離れすぎると富士山への影響が懸念される。いかがなものか?」

「帝都空襲計画の2回目も頓挫しました。それから考えますと、相当数の残存勢力があると
考えられ、第五艦隊の犠牲は相当大きなものになると思われます。それを考えませんと・・・」

「戦争の早期終結に協力してくれんかね?」

「閣下。お気持ちはわかります。京都・アタミ案にも反対はしません。
しかし、将兵の命は閣下のおもちゃではありません。」


「そうだな。君の言うことにも一理ある。海軍総参謀長。今から君の椅子はない。
各自持ち場に戻って準備を進めてくれ。
総参謀長空席のまましばらく、次席の副総参謀長が代理を務めるよう。」

早速、第一号が京都に落とされ米原ー天の橋立ー大阪・鶴橋ー生駒に囲まれた一帯が
特に甚大なる被害を受けた。

失われた文化財はかりしれず。死者・行方不明者約350万人とも・・・・

もちろん、厳しい報道管制が敷かれた・・・それでも人の噂に戸は立てられず、2-3日もすれば
報道管制の意味もなくなってしまうほどアメリカ投下の新型爆弾の威力のうわさは日本全国に
広がってしまった・・・


・・・新型爆弾が投下されて2日後の夕刻、浦賀・・・
ある喫茶店の電話が鳴る・・・あれ?よく電話が復旧したね?ハハァー、軍事回線か?!
「ハイ。ありがとうございます。ウラガ・カピタンでございます。」
「今少将閣下でありますか?」
「はて、なにかのお間違いでは?私はただの喫茶店のオヤジですが・・・」
「閣下。この国家非常時におふざけが過ぎませんか?カピタンといえば同胞ドイツと戦った
ポルトガル・オランダのことば(capitao=captain)。
敵性語ですぞ。場合によってはしかるべき処置を・・・」
「待ってくださらんか。私はもう戦争とは無関係な人間です。
そんなじじいを脅してあなたこそ正気ですか?
<閣下・閣下>と言葉こそ丁寧ぶっておいでだが、ご自分の所属もお名前も仰せにならない。
これではね、軍隊について一緒に戦おうという日本人はいなくなりますよ。
電話切りますよ、いーでしょ?
では。」
「親父さん、どーしたのさ。」
「時々くる間違い電話だよ」
「ふ~ん。間違いでも電話がかかってくるだけまだいいかもね。」
「今日はどいつもこいつも失礼なやつばかりだな。」

・・・3時間後・・・
「やっぱりおいでなすったか。

皆さん。今日は事情があってもう閉店とさせていただきます。もちろんお代は頂きません。
それから、これからお配りするチケットを次回お持ちの方は当店の飲み物が一杯無料です。
チケットの期限は、店が潰れるか、私が死ぬまで有効です。
あと、お店はしばらくお休みを頂くことになりそうです。勝手申してすいません。」

「親父さん。さっきの電話といい、やっぱりあんた、只者ではなかったんだね。」
「うまいいーかただねー、お客さん。昔は、只者ではなかったの、この私。
でも今は只者以下なの。」
「そーゆー屁理屈好きだねー。絶対帰ってきてよ・・・お!顔色変わった!!・・やっぱりそっち関係の
お人?」
「ところであんたは?」
「大きな声ぢゃ言えないけど陸軍の予備役中佐。
これからドッカいかされるんでしょ?
コーヒー待ってるからね。日本一の腕前の魚雷戦の神様 今少将閣下、怪我はいいけど、
死んだら今配ったチケット期待している人たちに申し訳ないでしょ・・・」
「何だ、ばれてたのか・・・」
「海軍さんはうまいコーヒー入れる人が多いからと聞いてたんで来てみたんだ・・・」

「貴様!!何をそそのかしている!!」
先ほどの電話の御仁らしい・・・
「私は、今少将閣下と将来の相談をしていたのだ。
予備役ですが、浜松高射砲聯隊次席でありました、予備**砲兵中佐です。」

「●●イー加減にしないか?
お二人共失礼しました。
横須賀水雷戦隊本部の■■少将であります。
それでこの湯沸かし器が副官の□○大尉。」

お前は口を開くな話がこじれる。

「■■少将殿。
いかな御用向きかは存知あげぬが、私服でお客としておいでになるのならともかく、
制服での御入店は・・・」
「貴様!!」
すると今少将閣下、ストローの入っていた紙袋を2枚合わせると、副官の前で一閃。
軍服が上の1枚だけパラリ。

これには、横須賀の少将、副官、予備役陸軍中佐も目を丸くした。

「いや、すまぬ。しばらく居合を試していなかったので確かめた。
ここは私の城だ
おとなしくしていただけぬのなら、八つに切るぞ。」

「いや。閣下。海軍一と言われた剣の腕、とくと拝見いたしました。田宮流居合免許皆伝。
本邦では閣下の右に出るものなしとか?・・・」

「前置きより、御用向きを、海軍次官殿・・・」

「さすがにここでは、嘘は通用しないようですね。」
「田宮流と届け出をしているのは海軍省だけですのでね。あと役職名はあてずっぽうですよ。」
「それでも、鋭いお方です。
ところで、単刀直入に用件を申し上げます。我々は、近いうちに米第五艦隊が全力で日本の
首を取りに来るという情報を得ました。
そこで、浦賀水雷戦隊と我が国の残存航空戦力と協力し、太平洋上で米太平洋第五艦隊に
最大限の打撃を与えてほしいのです。現在の戦隊司令に作戦要領を告げますと、彼はこの
国家の一大事を決する場面で指揮をとれる方はあなたをおいてほかには思いつかないとか・・・・
閣下に浦賀戦隊の指揮をとっていただけないでしょうか?」

「いや、もう私は10年船に乗っていないのです。」
「存じております。

これは今日や、昨日、そして一部の人間の思い付きや考えではないのです。

軍令部長(日本の海軍最高機関の長)からあなたへの親書です。
せめて御一読を。」

「拝見いたします。」
- - - -
・・・我が国は2回の新型爆弾を受け、近々第五艦隊の来襲を受ける。
君は第五を追い払っても、第七艦隊が出てくるのは明らかと言うだろう。
そして、太平洋艦隊を壊滅させても大西洋から援軍が来るから、戦えば戦うほど
日本はどんどんやせ細っていくだけだから、適当な時点で降伏を天皇陛下に
奏上しろと・・・

しかし、軍部の事情は、一戦交えて一矢報いたいという気持ちであふれている。
これを抑えるのはむずかしい。かといって国内の残存兵器を使いたくない。第7艦隊と
一戦なるかもしれないからだ。
浦賀艦隊だけで、艦載機1200+基地航空隊、主要艦艇800の第五を打ち破るのは君の技量しかない
勝手とはわかっているが・・・
- - - -
今は内容の勝手さにあきれて、海軍次官に手紙を突き返す。

次官は手紙を読んで、
「やはり駄目でしょうか・・・」

「次官殿もお読みいただいた通り。<帝国軍隊、ここにあり>といった御旗と意地をそれこそ
最後の一兵まで通させようとするから、いつも戦争に負けるんです。ちょっと負けたところで
コーサンしておけば深傷(ふかで)にならないで済むのに。
そしてことさら戦火を広げようとする。上官に留める力がない。何と情けないことか。

しかし、お引き受けしないでもない。」

「本当ですか?」

条件は
①かたづけるのは第五のみ。
②燃料はハワイまでの往復分を積むこと。
③仕事が終わったら解放してもらって、今まで通り喫茶店のおやじをつつけさせてもらえること。

ですが、第五を沈めても第7が出て参りましょう?」

「と仰せということは?少将閣下!!第五艦隊を沈める自信がおありで?艦載機+基地航空隊
4000機、主要艦艇800隻ですぞ。」
「大丈夫だと思います。」

「ほらを吹くな!!」

「全く子供ですな。大尉にもなって。軍法会議モノですな。」

「申し訳ありません。
ちょっと悪質なので<特設>開設の手続きをとりましょう。」
「次官殿も手厳しい。でも結構です。」
****************************************
◎軍法会議(日本の場合)
「常設」公開、弁護人あり、上告あり
「特設」非公開、弁護人なし、一審制
****************************************
「それで作戦というのは***といった概要でいかがでしょう?」

「さすが!もうそこまで立案されておられていたなんて!
ではそれで。あと細かいことは今の司令、Sとお決めになってください。お願いいたします。」

Ⅱ’-3 アウトレンジ
「閣下、お元気でしたか?戦隊の指揮をとっていただけると伺い一同喜んでおります。」

「それは何かの間違いだろう。君のような優秀なリーダーがいるのに、コーヒー屋のおやじが
しゃしゃり出てきてすまないね。
ところで会敵はいつごろになるの?」

「3日後でしょうか?」

「往復の燃料と<ドンパチ類>は " full "でくれた」?

「ええ。中身も確かめました。ところで噴進弾の「NA」って何ですか?」

「企業秘密だ。皆、一回はうちに帰ったか?」

「そのはずです。」

「よし。出かけるぞ。」

「もうですか?」

「往復燃料なんて信用していないのさ。
さ、方位**。船速12ノット。潜水艦隊は深度50m。」

・・・・
「電探に無数の大型艦。距離・・・40000・・・・?ですか?こんな距離まではっきり・・・」
「そうだよ。俺がドイツの技師さんからもらってきたもんだよ。ちょっとすごいだろ。
周囲の潜水艦の有無に気をつけろ。
<今から軽巡洋艦へ、電探に何か映っているだろう?航空機と艦影?ん!よしよし!!
距離は?約40000!!OK!!
25mm砲・・・もう仕掛けるのかって?先手必勝だろ?
25mm砲1番、2番砲45度で艦隊を狙え。どちらかというと小型艦狙いだ。
いーかまだ撃つなよ。>
<今から全艦へ。軽巡洋艦の射撃が始まったら全艦25ノットに増速。
進路そのまま。>

<潜水艦隊、増速が始まって距離33000につまるか、敵機影が見えたら、噴進弾孔から
2番潜水艦は高度3000狙い、4番潜水艦は6000狙いでチャフ弾(中身がアルミ箔でレーダーサイト
には機影、艦影と同様に見える欺瞞弾)を1発ずつ撃て。>

<そして軽巡洋艦は3番砲85度で正面で打ち続けろ。>

<距離30000につめたら、潜水艦2-4番、桃色の魚雷を1本ずつ撃て。2度ずつ開いてな。
2度のやり方がわかりません?!前照灯はつけとるか?その交差の角度を測って確認せよ!>

<軽巡洋艦は距離30000で1,2番砲を85度に修正。確認して撃ち直せ。>

<イーか、全艦、潜水艦には気をつけろよ。駆逐艦頼むぞ。
よし、始め。>」

魚雷、噴進弾などにアルファベットが書かれてあったり、色分けされてあったりしてあるのだが、
何を意味しているかは、今閣下以外、乗組員は、じつは誰も知らない。


増速が始まり、敵艦隊とも距離が33000につまった。軽巡洋艦の3番砲から25mm砲弾が
打ち出される。だがなんだかゆっくりだ。
「<今から巡洋艦25mm砲手へ。いつもと違って砲弾はたくさんもらってきてある、もっと
景気よくやってくれ>」
今から励まされた砲手は勢いよく打ちまくり始めた。艦隊上空にひかえていたアメリカ空軍機F6Fは、
どこからともわからずやってくる砲弾にアウトレンジされて、ばたばたとおとされていく・・・・

それから約30分後、距離が30000につまり、桃色魚雷が3本発射された。
雷速70ノット(約130km/hr)であるから、米艦隊までは14分で到達。外郭はFRPでできており、
レーダーには映らず、お家芸の酸素/塩素魚雷で高速走行だが使われたエネルギーの燃え残りは
すべて海水に溶けて気泡は出ない。

「巡洋艦砲手、1,2番砲の角度を変えたか。
それから、航空機が来る気配はあるか?ない?!いったんうちかたやめ艦を90度旋回。
多連装噴進弾を敵に向けて使えるようにしておけ。
主砲の位置を90度変えて射撃再開。

そろそろ魚雷が当たるぞ。
潜水艦は潜望鏡位置まで浮上急げ。
全員何かにつかまれ。見張りは、命中のみ確認したら潜望鏡から離れろ。洋上艦艇の乗組員は
双眼鏡を使うな。」
「2-4番潜水艦の魚雷すべてめいち・・・
というが早いか、付近を強烈な熱波、熱風が襲い、ほとんどの艦はあとかたもなくなって、残った艦も
艦橋がアメのように曲がるか火災が発生していた。
上空の見張りをしていた航空機、空母上の艦載機も一切なくなっていた。

「<今から駆逐艦へ、雑音が消えたら、潜水艦探してくれ。>
<それから巡洋艦。ヘリ飛ばして、わかる範囲でいいので潜水艦探してくれ。>

敵潜水艦は結局2時間ほど捜索してみつけることができなかった。何隻かは機動部隊と運命をともに
したのでは?ということになった。

「みんなよくやってくれた。礼を言います。結局俺はいなくてもよかったんぢゃないのかね?」
「そんなことはありません、閣下。機を逃さない俊敏さ、全体を常に気配りして、大事な順番を
お決めになる決断、浅瀬の乗り越え方。3日御一緒しただけでしたが、収穫多い毎日でした。
ところであの桃色爆弾は何なのですか?」
「知らない方がいい、というと、この爺につきあってくださった司令以下皆さんに失礼だ。
京都に落ちた原子爆弾の1/40量のプルトニウム爆弾だ。
3本使ったから、3/40個分の原子魚雷だね。

さて帰るぞ。」

・・・・
ワシントン
「閣下、日本でも原子爆弾が完成していたようでありまして、太平洋上で魚雷型原子爆弾が使われた
模様です。第五艦隊、主要艦艇800、艦載機1600、一瞬のうちに全滅したそうです。
電文を送ってきた主も亡くなった可能性が高いと思われます。
第七艦隊を即座に送りますか?」
「いや、日本と終戦の講和を持とう。それから、海軍総参謀長を復籍させたい、謝罪もしたいからと・・・」
「早速、手配いたします。」

Ⅲ’エピローグ

ウラガ・カピタンは1週間ほどの臨時休業で再開した。
大賑わいだった。
例の浜松砲兵殿が寄ってきて
「閣下、第五沈めたんでしょ。器が違うね。」
「宣伝しないでよ。」
「しませんけどね。」
「**さん。もう喫茶店のおやじ飽きちゃったんで・・・
それに、それこそ講和も近いらしい・・・どこかで昔の仲間の供養をしたいのだが、いいとこ
御存じないですか?」
「私の実家が浜松の山奥なんですけど、H寺という古くて格式ある寺があります。そこでよければ・・・」
「案内も頼めますか。」
「えー、荷物運びでもなんでも喜んで・・・」

それから1週間ほどしてカピタンは閉店、売家になっていた。
今も前回出したコーヒーチケットがすべて回収できたので一応義理は果たしたことになるのかな?
デモ世話になった土地の人たちには申し訳ないと思いながらの旅立ちとなった。

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長々とお付き合いくださいましてありがとうございました。
「駅のカピタン、今」   完

おまけ
駅のカピタン、今⇒EKINOKAPITAN-KON
⇒①E②K③I④N⑤O⑥K⑦A⑧P⑨I⑩T⑪A⑫N⑬K⑭O⑮N
⇒⑬K⑭O⑮N⑧P①E②K③I④N⑤O⑥K⑦A⑫N⑩T⑪A⑨I
⇒こんぺきのかんたい:紺碧の艦隊

ほんとにおしまいです・・・