長めの食事とお茶をしてホテルの部屋に戻った。
きちんと着替えてお洒落なレストランで食事をして、ようやく大人らしい時間を過ごせた。
彼は、外で接していると本当に爽やかな人なのだ。
あとは別れる時間まで、きちんとした時間を
過ごすだろう。
「tefeさん、さっき撮ったビデオをこのゴーグルで観ない？」
彼は唐突に、涼しい顔で聞いてきた。
いやらしさは感じない爽やかな雰囲気で。
ゴーグルを介して観ると、
3Dでしかも空間ビデオなので部屋の広さ全てを使って等身大サイズで大きく観えるのだ。
「そうですね… じゃあ」
そこから再度ゴーグル設定をして、
自分たちのセックスの様子を観ることにした。
もう一度、そのデバイスの操作手順を彼が手取り足取りやってくれる。
こういう時は本当に丁寧でジェントルマンな雰囲気だ。
私は、午前中に散々セックスしたし、そのあと落ち着いた雰囲気でゆっくり食事したし、あとはもう帰るだけだと思っていた。
セックス中のビデオはさっきも小さなスマホ画面で見せてもらったのだから、今は同じ内容を
空間ビデオで観たらどう見えるか？という
ちょっとした確認の意味で観るだけのつもりだった。
3Dの空間ビデオでの再生が始まる。
ゴーグルをつけて再生すると、スマホ画面での再生とは別次元で、
自分がその場にいるような感覚だ。
裸で汗だくになって眉間にきつく皺を寄せて
気持ち良さそうに喘いでいる女性(さっきの私)の太ももの間に、自分の身体を置いている感覚がある。
(…確かにこれは、自分とセックスしているみたい…！)
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