20代後半になったあたりから女同士で会うときはなぜか土曜のランチとなっている。日曜は次の日から会社があるから家でゆっくりしたいし、土曜の夜は相手方にすでに先約があるかもしれないとなんとなく遠慮するからだ(だが実際、こうやってつるむ相手はフリーで「なんかいいことないかなぁ」と言うタイプばかりなのでそういうことはない)。
もともと私は大勢で呑むよりも親しい友人とゆっくりはなすことが好きなので、それもあるのかもしれないが、夜に出歩くと疲れるしランチでいいや、と思ってしまうあたりがすでに老化現象なのかもしれない。とにかくここ数年、女友人と会うのはランチと決まっている。
先日も学生時代からの友人と表参道でランチをしようとなった。表参道ヒルズで待ち合わせして、会ってすぐに「どこの店行こうか(どこでランチ食べようか)」となり、私が「何でもいいよ。今、歯の矯正しているんだぁ。だから食べやすいのがいいけどね」と言うと「えっ?どうして今更矯正なんて?」とかなり驚いたが、友人はすぐに「私、パスタ食べたいなー。パスタの方が食べやすいよね?」と返された。
パスタ。矯正仲間では有名だが、ほうれんそうに次ぐぐらい人前で食べたくないものランキング上位に入るものである。ひとたび口に入れればアルデンテ麺が装置にからまりつき、口元を手で押さえながら舌の先で一本ずつはずさないといけない。そんなわけで、矯正をはじめてからパスタは家でしか食べたことが無い。しかし彼女がパスタがいいと言ったからには否定するわけにもいかず、パスタ屋には大抵ピザもあるから、私はピザを食べることにしようと内心思いつつ、パスタ屋を探す。
週末の女同士のランチはパスタが多い。適当に歩いていて見つけたようなOLの好むようなこじゃれたインテリアのレストランやカフェスタイルの店はほとんどがメニューの中にパスタがあり、ランチセットとして、ドリンク(サービスがいいところはサラダも付く)がついて1000円前後という価格設定。ここで食べよう、とついきやすく選んでしまっているが、雰囲気重視のレストランのパスタ(セットで1000円前後)で特別おいしいものに出会ったことが無い(まずくもないが)。考えてみれば500円ほどプラスして、店を選べばもっとおいしいものが食べられるはずである。しかし、たかが500円だが、されど500円。実際メニューに1500円と980円があると、やはり安いほうを選んでしまうのがせこいところ。
結局その日は運よく表参道ヒルズにパスタ屋が見つからずビーフシチューとなった。これもこれで具がやたら大きくて食べにくかったけど。
何が結局言いたいのかというと、女同士で会うとなると、
・銀座、青山あたりで待ち合わせ
・適当に散策しパスタを食べる
・カフェに移動しケーキセット
・帰る
とこういうパターンが多いわけで、ショッピングもせずずっとしゃべっているだけだから何も銀座や表参道でなくてもいいし、それにパスタでなくてもいいのにパスタなのだ。女同士の週末ランチはパスタ。統計をとってみたら9割方そうじゃないだろうか。そして、この都会の現状は矯正女にとってつらいランチを強いることとなるのである。