AROUGE
1980年代。

ギターの、橘高文彦が結成。

AROUGE
1980年代。


シャーラ―のペグ。
オリジナルペグには、「GRECO」とロゴが入っておるので、できれば交換したくないのだが・・・・・
ペグを入れて・・・・ビスを・・・・
なんだが、みりゃワカルレベル。
爪楊枝。
これの先端をビス穴に埋めて、穴を狭くする・・・・ってか、一定埋める。
そこに、シャーラ―のビスで新たな穴を穿つ、ような感じになるが、爪楊枝は柔らかいので完全にシッカリとはネジは留まらない。
もちろん、落ちない程度に強くはネジは留まるので、あえて、爪楊枝にしている。
ナットブッシュなんで、ペグビズは、落ちない感じで良い。
経験からは、素材にもよるが、割り箸を爪楊枝サイズに削って使った方が、シッカリと留まるようだ。
爪楊枝の先端は尖りすぎておるので、先端をちょこっと切って、ビス穴に突っ込む。
で、ペンで、埋まった長さのラインを引いて、ラインより1mm程度短く、爪楊枝をカットする。
ヘッドの面と水平だと、センターが取りにくいので、ちょこっと埋まっている、感じにしたいのだ。
木工ボンドを爪楊枝につけて、ビス穴に押し込む。
DAYSEEKER
最近、やたらスイス産メタルにぶち当たるが、スイスメイドを、探しているワケではない。
SHAKRA
MYRKUR
●たった1曲だけの、カセットテープの話。第8話(完)
やはり、どうしても納得してもらいたい。
この想いをなんとかして伝えなきゃ。
「この想い」
この、も、あの、も、その、もない。
なんでもいい、伝えなくては。
「そうだ!伝えなきゃ!」
私はベッドからガバっと起き上がり、机の上に置いてあった新品のカセットテープを手に。
46分のカセットテープ。
「想いを伝えなきゃ!」
そして、レコードを並べた棚から引きずり出した。
ビリー・ジョエルの、『ニューヨーク52番街』。
震える手で、カセットテープのビニールを破き、レコードをレコードプレイヤーに置く。
46分テープをカセットデッキに入れる。
カセットデッキの録音ボタンを押し、レコードの2曲目に針を落とす。
「オネスティ」・・・・誠実。
一番見つけにくいもの。
恋でも、友情でも、慰めでも、安心でも、ない。
どこにもないもの。
誠実、、、、。
それを、求め、求められたいんだ!!
たった1曲だけ録音した、カセットテープ。
たかちゃんに渡すんだ!
思いを込めて・・・・。
But when I want sincerity.
Tell me where else can I turn.
Cause youre the one I depend upon.......
信じて・・・・
私は、自分の思いをこの曲に込めた。
小綺麗に片付けた、自分の部屋。
机の上の、白熱球が黄色く、薄暗く室内を照らす。
引き出しから、たかちゃんに最初に書いた手紙と同じ便箋と封筒を取り出した。
たかちゃんがくれた万年筆。
渋い趣味やなあ、なんて笑ってた。
その万年筆で「Honesty 誠実。信じて。」とだけ、書いた。思いを込めて。
それだけ書いた便箋とカセットテープを封筒に入れて、大きく深呼吸した。
「ふー」
よし、今からたかちゃんの家まで走ろう。
そして、誤解を解かなければ・・・・
時計を見る。
午後7時。
夕食時だが構うものか。
走れ!オレ!
後悔と、不安と、大丈夫だという自信が、物凄い勢いで交互に私の中に去来する。
封筒を手に、階段を走って降りる。
私の頭の中には、「オネスティ」が流れ続けている。
「たかちゃん・・・・!今、行くから!君の元に走るから!!」
たかちゃんは、泣いている。
でも、絶対、待っているんだ!
リビングを抜け・・・・・玄関に向かう・・・・・
っと、声が掛かる。
「おい、雅ぁ?雅かぁ?出かけるんか?」
呼び止めたのは、親父の声。
視界に飛び込んできたのは、ステテコにアンダーシャツでリビングの床に寝転がっている親父だ。
巨人ファンなのに、なぜか阪神対ヤクルトの中継を観ている。
親父は、尻を掻きながら私を見ている。
私の目の前に浮かんでいた、たかちゃんの笑顔と泣き顔。一瞬にして、親父の顔と入れ替わる。
床の上には、瓶ビールとコップ。
あたりに、ピーナッツの殻が散らばっている。
「タバコ買うてきてくれるか?」
そういいながら、鼻毛を抜きだした。
テレビ、、、。
あっ、阪神が、勝ってる。
私の思考は、完全フリーズ。
午前の同級生との再会。
きょんちゃんとの遭遇。
たかちゃんからの電話。
たかちゃんの泣きながら振り絞る声。
電気の消えた部屋。
ベッドから眺めた天井。
杏里の音楽。
ビリー・ジョエル。
誠実。
決意。
このクローズサーキットの中に飛び込んできたのは、親父のビールと鼻毛に、ピーナッツ。
親父は、おおよそ、巨人がぼろ負けしていて、阪神戦を観てたのだろう。
私とたかちゃんのクローズサーキットは、ほんのさっきまで、私のすべてだったはずなのだが、現実には、親父のビールと鼻毛に、ピーナッツが、私の生活のほとんどなのだ。
更に、阪神が勝っているときた。
その否定したくともできない現実を叩きつけられた私は、フリーズ。
ビリー・ジョエル・・・・オネスティ・・・・たかちゃん・・・・でも、親父のビールと鼻毛に、ピーナッツ。
ついでに、今日は勝っている阪神、池田親興が投げている。
これが、この世の現実そのもの。
「えっ、ああ、分かった、買うてくるわ」
私とたかちゃんの2人だけの世界から現実社会に引き戻された私は、カセットテープの入った封筒をそっと部屋に戻し、タバコだけ、買いに出たのだ。
おわり。
と、まあ、それだけの話し、です。
最初に書いた通り、脚色あるものの、これ、実際にあった話し。
ただ、ひとつだけ大きく事実と異なる。
実際には、彰布が私で、雅之が親友。
中高の親友に起こった話だ。
後日談、で、たかちゃんと、親友はちゃんとそのあと誤解を解いて無事に元の鞘に。
私が間に入り、親友とたかちゃんを呼び、なんと、親友が梅田で話をした同級生にもわざわざ出向いてもらって、誤解を解いたのだ・・・・
しかし、確かにガキの頃、自分のクローズサーキットと、現実生活のギャップってのは確かにあったような気がする。
歳を重ねると、結局は、現実の方が、重いのだ、と勘づくのだろう。
まあ、それこそ、つまらん事なんだが・・・・・