今日で、3月下旬から始まった塾の春期講習が終わりました。この期間は、塾通いを始める機会でもあることから、私も英語の新しい生徒を何人か受け持ちました。4月から中3になる生徒については、講習期間中にこれまで習った英語のおさらいをするため、1・2年の復習問題をやってもらうのですが、そのなかに特徴的な誤りが見られた生徒がいました。

 

”He is ~” を否定文にしなさいという問題に、”He doesn't ~" と答えたのです。どんなふうに考えて "doesn't" と解答したの?と聞いてみると、「三単現だと思った」 といいます。これはこれで生徒の思考プロセスが浮き彫りになる "良い間違い” だと思いました。

 

おそらく 「be動詞」 と 「一般動詞」 の区別がついていないのでしょう。三単現は 「一般動詞」 だけに見られる語形変化ですが、("He" という) 「三人称」 の否定には "doesn't" を使う、そんな漠然としたイメージを持っているような印象を受けました。と同時に、2年前に私が受け持った中2の生徒のことを思い出しました。その生徒の英語はかなりユニークで、"I not wirte." "I was writed," "Do you will write?" など、三単現どころではない、かなり無茶苦茶な英語を書いていました。

 

そこで、そのときの経験を生かし、まず動詞を 「be動詞」 と 「一般動詞」 に分けて、それぞれ単複/人称ごとに、肯定/否定/疑問の全パターンを、現在形、過去形、未来形の順番にホワイトボードに書いていきました。(「一般動詞」 のサンプルには "play" を使って)

きちんと書けばこんな具合です。要は、「全体像」 を見せたかったのです。

 

 

授業では、私の汚い字でホワイトボードに書きなぐった一覧表を、この生徒は一生懸命ノートに写していましたが、「be動詞」 と 「一般動詞」 の間には "壁" があること、そして 「三単現」 は 「一般動詞」 の現在形だけに関わる語形変化であることが見えたようで、本人もモヤモヤが晴れたと言ってくれました。春期講習という短い期間の中で、ひとつでも得ることがあったのであれば嬉しいことです。