今日の授業でとても興味深い発見がありました。私が担当する生徒に英語が不得意な中学2年の男子生徒がいて、現状分析のために、彼にこんな演習をやってもらったのです。

 

 

要は、中学1年の英語で習った動詞の形態変化を ”write(書く)” を使って全ての時制・人称・文の種類で書いてもらったのです。その結果は、同僚の先生に「これはかなり重症ですね」と言わせる内容でした。たとえば、未来形の疑問文について、こんな解答をしていたのです。(  )内は正しい変化。

 

Do I will write (Will I write)

Do you will write (Will you write)

Are he will write (Will he write)

Are we will write (Will we write)

Are you will write (Will you write)

Are they will write (Will they write)

 

これに限らず、過去形の肯定文が ”I was writeed (I wrote)” とか、現在形の否定文が ”I not write (I don't write)” といった具合に、15あるグループのうち正しく解答できたのは「未来形の肯定文」だけという、たしかに一見すると壊滅的な状況でした。ただ私には、ふと「タグチメソッド」のことが頭に浮かんで、必ずしも悲観的ではないと思えたのです。

 

タグチメソッドは、以前会社で内部監査の仕事をしていたときに、品質監査をするための事前準備でほんの少しだけかじったことがあります。そのときこんな資料を作っていました。


 

これが私のタグチメソッドについての理解なのですが、ポイントはほとんど間違った彼の解答が、彼なりの考え方で、あまり「ばらつきなく」間違っているということです。「何でこんなところにbe動詞が出てくるの?」と思う解答でも、色々なグループに揃って出現しているのです。つまり、上の図でいえば、上から2つめの的の絵のように、「ズレてはいるが”固まって”ズレている」ように見えたのです。

 

従って、その「ズレ」を修正するように彼自身が思考回路を調整できれば、おそらく正しい英語に近づけるのではないか。そう感じたのが「必ずしも悲観的ではない」と思った理由です。

 

今日彼には「英語のルールに自分を合わせる」ことを説明して、正しいパターンの表を見て練習するように言いました。1週間後の授業で、彼にどんな変化が見られるのか興味津々ですが、ぜひとも「悲観的なものでない」ことを心から祈ります。