【石巻】第39回 出張授業 | NPO法人TEDIC 公式ブログ「活動報告」

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こんにちは。TEDIC の井上です。
6月16日に行われた第39回出張授業の様子をお伝えします。

今回は、井上、長谷川、池田の関東のチューター三人に、石巻のチューターの土田、鈴木の二人が加わり、五人で中央公民館、開成、南境、一番谷地の四箇所で授業を行いました。

なお、今回は石巻の学生のみっちゃんが運転手として協力してくれ、現地の宿泊は宮城クリニックにお世話になりました。
本当にありがとうございました。


中央公民館では、小学生が七人来てくれました。
写真は、今回初めて参加してくれた三人の生徒に英語を教えているところです。

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休憩時間には、違う学年、違う小学校の子供たちが一緒になって遊ぶ姿も見られました。
子供たちの元気いっぱいな様子がとても印象的でした。


二か所目の開成地区では、テストを控えた高校生3人が来てくれました。
テスト勉強のために学校のノートやテキストを見たり、受け答えをしていくなかで、生徒の学校の授業への向き合い方がとても真摯なものであると感じました。
習った内容に関して板書だけでなく、自分でポイントを書き込んだり、新出単語をチェックして練習したりと丁寧なノート整理をしている点や、完全な答えでなくても習った内容を最大限に使って答えようとしている
毎回の授業で先生のいったことすべてから学びを得ようとしている姿勢が見え、とてもうれしく思いました。

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南境では、4人の生徒に数学と英語の授業をしました。
もうすぐ期末テストということで勉強にも熱が入ります。
ここでの全員が受験生ということもあり、テストに向けて特に集中できていました!

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最後の出張場所の一番谷地でも受験生6人への授業でした。
こちらでは理科の授業を希望する生徒が多かったです。
元素記号や化学反応式などを一問一答にしたり、クイズ形式にしたりと元気な雰囲気で生徒が飽きない授業を心がけました。

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出張授業を終え、翌日の日曜日には、青葉中学校のプール掃除をお手伝いしました。
普段は生徒と先生方が行うそうですが、放射能の心配などから今年は石巻市では生徒なしでプール掃除を行うとのことでした。

先生方と保護者の方々と一緒にプールに入って底を磨いたり、プールサイドの草取りをしました。

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そのあとは、開成地区にあるプレーパークにお邪魔しました。
子供たちの遊び場として、毎月第3日曜日に使っていない原っぱや広場を開放しているそうです。

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思い思いの遊び方をしている子供たちの元気のよさに圧倒されました!
外で元気に遊ぶ子供たちはとても生き生きとしていました。




今回の出張授業では、テスト前ということもあり、生徒同士で教えあう場面が多くみられました。
互いに協力して答えを見つけたり、理解できていない子に生徒からヒントを与えたりと話し合いやアイデアの出し合いの中で答えを見つけていくという姿を見て、「教える」ことは教師だけによってもたらされるものではないことを感じました。
それは、生徒同士が教えあうなかで双方の生徒が新しい学びを得られるということです。

教えるためには、自分が内容をよく理解しているだけでなく、それを整理して他人にわかるよう順をおって組み立ててから説明しなければなりません。
教える側は、わかりやすく説明するために内容をたどることで、どこが理解するために重要なのか、ひとつひとつの説明が何のためにあるのかなどを再確認することができます。
また、教えられる生徒にとって様々な教え方で教わることで、今まで気づかなかった点に気づいたり、新しい理解の仕方ができることもあるのです。

教師にとって生徒に「教える」ことは大切であり、そのうえで生徒が学んでいくことはとても多いと思います。
しかし、それだけでは見過ごされてしまう学びがあることを忘れず、多様な教え方がもたらす新たな可能性を心にとめておかなければならないと思いました。




TEDICに通う生徒の多くが今週来週で期末テストを迎えます!
生徒全員が日頃の成果を発揮できるよう、チューター一同応援しています!