【2012.5.12】TEDIC設立から1周年 | NPO法人TEDIC 公式ブログ「活動報告」

NPO法人TEDIC 公式ブログ「活動報告」

NPO法人TEDIC(テディック)東日本大震災での被災や、貧困・虐待・ネグレクト・友人関係のつまずきなど様々な事情の中で生きている子ども・若者を、「学習支援」や「フリースクール」、「子ども食堂」などを通じて地域の力で支えるNPOです。

こんにちは。ブログではご無沙汰しておりました、代表の門馬優です。

昨日で震災から1年2か月が経ちました。

私たちの活動エリアである宮城県石巻市では、津波が直撃した沿岸部では少しずつ損壊した家屋の取り壊しが進んでいます。

被害の少なかった内陸部では、仮設住宅や借り上げ住宅(みなし仮設)で多くの方々が生活をなさっています。先日の暴風雨では土地が下がっていることもあり、避難勧告が発令された地域もありました。

「人は誰でも答えのない悲しみを受け入れることは苦しくてつらいこと」と甲子園で石巻工業高校・阿部主将が選手宣誓の中で述べています。震災から1年を過ぎた今、まさに答えのない答えとの葛藤が続いているのだと感じています。



そして、今日5月12日にTEDICはお蔭様で設立からちょうど1周年を迎えました。

1年前の今日、大学院の自習室でアイディアを話し、9人の院生仲間に支えられて設立。

1週間後には先遣隊が現地入りし、その3週間後には活動を開始するという非常に急造な組織でしたが、あのときの9人がいたからこそ、今のTEDICがあると心の底から思っています。

しゅん、てち、ふみちゃん、ゆーや、こーた、こまちゃん、せいちゃん、いのちゃん、あっちゃん、そして大学院の同級生のみんな、現職の先生方がいたから一歩踏み出すことができました、ありがとう。

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思えば今でこそこの時期は第1フェイズと言われていますが、6月~8月の3ヵ月間で活動を終えるつもりでした。

その後、チューター(当時は学生教師と呼んでいました。)の一般公募を始めた初のフェイズ、第2フェイズ。

今、事務局の中心として、また現場の第一線として、TEDICを体現してくれているひっちゃんや、まめ、まゆゆが加入したのもこのフェイズでした。

けいちゃん、こまちゃん、みちくん、ぼいちゃん、ゆっこ、ひっちゃん、まめ、まゆゆ、しゅん、大きく舵を切った第2フェイズを一緒に走り切ってくれて、ありがとう。

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NPO法人アスイク様との事業提携、石巻市教育委員会からの後援事業、ボーイズシンクロエンターテイメントiNDIGO BLUE様をお招きしてのイベント、そして研修ミーティングの構築と、飛躍のフェイズとなった第3フェイズ。

現在は教員として、広島県で、千葉県で、そしてアメリカで教壇に立っている、花田さん、ねえさん、ゆりこ。

そして、あづ、いく、ゆりりん、でらり、えんちゃん、くろちゃん、みきてぃ、ゆっこ、ひっちゃん、まめ、まゆゆ、しゅん、今年度のスタートダッシュの原動力、まさにみんなの力です。ありがとう。

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この4月から第4フェイズがスタートし、1ヵ月余りが経ちました。
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今、このブログを書いているこの瞬間も目の前には、真摯に生徒と向き合い、1分1秒を生徒にとっての機会にすると心に決めたチューターと、受験に向けて必死にひたむきに勉強に取り組んでいる生徒がいます。

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TEDICは「誰に」対して『責任』を負っているのか。

まずは、「生徒」。
僕たちは、今、この瞬間、目の前にいる「生徒」に責任を負っています。

次に、「保護者」。
僕たちは、大切なお子様を預けてくださっている保護者の皆様方に対して、お子様を何より安全に、そして期待に応えることに責任を負っています。

さらに、「支援者、関係者の方々」。
僕たちは、温かな気持ちと共にご寄付やご支援をいただき、また常日頃から激励してくださっている方々に対して責任を負っています。

加えて、「チューター同士」。
僕たちは、教員を目指す同志として、お互いに学び合い、切磋琢磨し合い、将来に共に歩んでいくことに責任を負っています。

そして「自分」。
僕たちは、教員を目指す自分に対して、生徒と、保護者と、チューターと向き合う自分に対して、責任を負っています。

最後に、今、強く感じているのが「社会」。

僕たちの活動は支援者の方々からの寄付金、助成金によって支えられています。
それらは、東日本大震災が起こらなければ、他の社会の課題に対して使われるはずであったものです。

少し傲慢で語弊をはらむ表現になるかもしれませんが、僕たちの活動に経済的資本が使われることである生徒を救うことができるかもしれないが、もしかしたら今まで救われていたある生徒が救われなくなるかもしれない。

もしそんな生徒がいるのだとしたら、僕たちはその生徒に何ができるのか、無責任でいいのか。答えは「ノー」だと思います。

だとしたら、僕たちに何ができるのか。

それは「石巻市の子どもたちだけでなく、日本中の子どもたちにとって、価値のあるものを残すこと」です。

それが僕たちにできることであり、社会に対して負っている責任への応え方であり、だからこそ何よりも目の前の「生徒」に向き合っていきたいと思います。

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末筆ながら、いつも元気にひたむきに授業に参加してくれる生徒のみんな、授業の度に温かい気持ちを届けてくださる保護者の皆様、未熟で非力な私たちに対して様々な形でご支援、ご助言をくださる支援者及び関係者の皆様、そして真っ直ぐに一緒に生徒のことをとことん考えてくれるチューターのみんなに、改めて御礼申し上げたいと思います。

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本当に、本当にありがとうございます。
今後ともTEDICを、末永くよろしくお願いいたします。

2012年5月12日 TEDIC代表 門馬 優