第3フェイズを振り返って【小野寺】 | NPO法人TEDIC 公式ブログ「活動報告」

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NPO法人TEDIC(テディック)東日本大震災での被災や、貧困・虐待・ネグレクト・友人関係のつまずきなど様々な事情の中で生きている子ども・若者を、「学習支援」や「フリースクール」、「子ども食堂」などを通じて地域の力で支えるNPOです。

こんばんは!第3フェイズチューターの小野寺です。
第3フェイズの振り返りを書いていこうと思います。

TEDICを知ったきっかけは、SNSでの告知文でした。
第2フェイズ申し込み締め切り後すぐに、TEDICの存在を知りました。
私の親戚は気仙沼で被災しました。
しかし被害は少なく、それといった切実感もなく、その時まで過ごしてきました。
震災から半年以上がたった頃、TEDICの活動を知ったことで、
東北には大学が少なく若者の力が足りないということ、
学習支援が必要だということなどの問題意識がやっと芽生え、第3フェイズから参加させていただくことになりました。

身ぐるみひとつで被災地に行って、自分に何ができるのか。
誰かの心を救うことができるのか。
さまざまな不安を抱えながらの参加になりました。

結果、私の中でポジティブな変化とネガティブな変化がありました。

ポジティブな変化では、学びの場を通じて笑顔が生まれるということへの喜びです。
教育にかかわる学生として、改めてその喜びを感じました。
私の専門教科は国語ですが、英語や数学、時には物理を教えることもありました。
その時、拙い指導で子どもとともに学び、理解ができたら喜ぶ。
うまく解けたらともに楽しいという場を、自分たちが作ったということ。
TEDICが学校教育の現場でなく、また塾でもない、そんな場であったこそ実現できた学び合いだと思いますし、そんな場作りのお手伝いができたことがとてもうれしいです。
人と向き合っていくということが改めて面白く、しあわせなのだと実感しました。

ネガティブな変化では、無力な自分、弱い自分に気づけたことです。
私にできたことは、被災地にいる子ども数人と向き合い、教科指導をすることだけでした。
救うだとか、手伝うだとか、力になるだとか、そんな言葉を使うにはあまりにもおこがましく、とてもちっぽけな存在でした。

そして、TEDICに参加する前からずっと悩んでいたことがあり、その自分に気づくことができたということは、ネガティブな変化であり、自分にとって大きな一歩です。
大学生になってから、興味のある教育活動に全力を注いでいました。
初等教育、中等教育、フリースクール、特別支援教育、部活動支援、居場所支援、キャリア教育などのNPO・・
さまざまなことをやりすぎて無責任な行動をとってしまったり、自分を見失ったりしました。
自分を突き動かしてきた衝動が、「自分を肯定できない自分」だったのだと、TEDICに参加して気づくことができました。

教科知識も、スキルも、教養も、経験もない。
そんな自分はなんとか成長しなければならない。
ではどうやって?学び続けたら私は先生として教壇に立ってもいいのだろうか・・・

そんなもやもやを抱えながら望んだ派遣で、自分の支援を受けてくれた生徒に、とても救われました。
支援に行ったつもりでいたのに、逆に勇気つけられてしまった自分がくやしくもあり、
同時にそんな自分に否定的になるのではなく、支援で学んだことを生かせるよう
しっかりと勉強していきたいと思いました。この気持ちは、私の宝物です。

数時間もの時間、自分の拙い支援を受けてくれ、他愛もない話をして笑ってくれる生徒たち。
何もできない自分を東京から派遣してくださり、そして現地で車移動のサポートをしてくださったり、宿泊を受け入れてくださった皆様。
そして何より活動ができるよう支援をしてくださるすべての方々の存在へは感謝が尽きません。
活動と支援を続けることができたのは、TEDICにかかわるすべての方々の存在だと思います。

そんな「人とのつながり」がいかに尊くかけがえのないものなのか、
活動を通して実感を伴い知ることができました。
そのつながりで、誰かの役に立てるよう、未熟な自分を日々研鑽していきたいと強く思いました。





末筆ながら、TEDICを支え、ご支援を頂いている多くの皆様に感謝を申し上げます。
TEDICは第4フェイズに続いていきます。
これからも、よろしくお願い申し上げます。