【石巻】第五回派遣@渡波中学校 | NPO法人TEDIC 公式ブログ「活動報告」

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NPO法人TEDIC(テディック)東日本大震災での被災や、貧困・虐待・ネグレクト・友人関係のつまずきなど様々な事情の中で生きている子ども・若者を、「学習支援」や「フリースクール」、「子ども食堂」などを通じて地域の力で支えるNPOです。

こんばんは、今回活動初参加だった中村です。

今週やってきた台風はすごかったですね。私の地元は土砂崩れの恐れがあり、ローカル線が2日間に渡って運休してました。
被災地の方は大丈夫でしょうか…被害はもちろん、寒暖の差で現地の方が体調を崩されていないかが心配です。


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さて、五回目の活動ですが、日中については山口さんが詳しく書いていたようなので、私は中学生の学習支援のことを。

通常なら夜間に万石浦中学校で行われる学習支援でしたが、今回は中学校側のご都合で、午後よりお隣の渡波中での活動になりました。
午後三時半に中学校に到着し、入り口にいらっしゃった女性に案内され三階の本部へ。生徒さんは既に別室にて待機とのことだったので、慌ててそちらに向かいました。
聞くところによれば、普段は黒板がある教室で授業を行うそうですが、今回は場所が音楽室だったので一斉授業は難しかったです。

中学校を訪れたのは私中村(英語担当)と、チームEの小野くん(数学担当)です。
教室の中央に長机が置かれ、そこに生徒さんが座っている状況だったので、マンツーマン制で50分ごとに交代をすることにしました。

授業の展開は先週の復習→今回の内容といった感じ。単元計画は英語科の豊田さんが作ってくれていたので、それに則って授業を行いました。
黒板がない状況下での口頭説明は飽きてしまうかと思い、記述で手を動かしたり音読や一文を作ってみるなど口を動かす作業も取り入れました。

授業を終えての課題は、生徒さん一人ひとりの進度が違ってしまうことです。全体としてのまとまりを取るか、個人のペースを優先させるのか…学習支援という立場を考え、生徒さんにとってどんなスタイルが適しているのか、活動を通して考えていかねばならないと思います。
教える側としても、その場限りの授業で済ませるのではなく、系統だった指導計画をきちんと練ることが大切であると痛感しました。

授業後、少し時間が空いたので軽く雑談。
授業時の真剣な表情とは違い、趣味の話も飛び出して中学生らしい一面を垣間見ることができました^^


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最後に、実際この目で見た荒浜の風景について少しだけ。

テレビやインターネットで何度も目にし、また前回までの派遣メンバーからも再三話は聞いていたはずなのに、自分の目で身、肌で感じる「被災地」の現実にはただ呆然とするしかありませんでした。
「トンネルを抜けると、そこは雪国だった」という有名な一文がありますが、まさに荒浜はそんな感じ。海岸近い高架線を抜けた先、広がっていたのは家の基礎部分ばかりが残る静かな景色でした。
見渡す限り平らな地面が続くその場所は、晴天も相俟ってまるで平和の象徴のようにも見えました。その光景に、思わず「遺跡みたいだ」と呟いたのは誰だったでしょうか。


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派遣を通して、改めて私たちにできることは何だろうと考えます。
『100人の村』を訳した池田佳代子さんは「人は無力ではなく微力なのだ」と言います。どうか微力な私たちが、少しでも誰かの支えになりますように。

台風一過で体調が気になる時です。
第六回派遣の皆さん、ご自愛精神も忘れずにね。