ウイーンに見た世界 | 続・日々コラム・・・

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Shen Teh n Shui Ta = hen na TeTSuShi・・・

小澤征爾さんがニューイヤーを指揮した年にウイーンに行きました。


小澤さんのブロマイド売ってました。
草間彌生さんの展覧会やってました。
岡山のデパートの天満屋がなぜか日本料理屋として営業してました。


天満屋さんはともかく、日本人として誇らしいときでした。


ウイーン(オーストリア)が、他の国と一番違うと思ったのは、そこにいる日本人の若者が、とても上品で落ちついて見えたこと。
おそらく留学生とかだったのでしょう、観光客にありがちな間抜けさが無くて、さまになっていました。

ま、みなさん、ウイーン留学するくらいなので、おぼっちゃまとお嬢様なんでしょう。
日本では、優秀なエリートなんでしょう。


しかし小澤征爾の国からきたとはいえ、世界はかなり厳しいわけです。

日本の文化をつたえるならともかく、ヨーロッパ文化に挑戦するわけだから、層が厚いわけです。
猿がピアノ弾いていれば珍しがられますが、日本人じゃ珍しくもない。


世界に出るということ、本場に出かけると言うことは、少々の実力者なら掃いて捨てるほどいます。
そこでどんなサバイバルができるか、その勝負なんだと思います。


老舗デパートの天満屋さんが和食のレストランになっているのもある意味そのひとつ。
そこで個性を発揮して評価を高める人もいれば、ただ、自己満足だけで帰国する人もいます。
そして大きな挫折をした人もいます。


サッカーや野球などスポーツをみても、いま、本当に日本人が世界で活躍する時代です。
なので簡単にみえてしまいますが、本来大変なことです。


掃いて捨てるほどいる才能の中から、日本人がもっている強みとは何か、というと僕は二つあると思います。


一つは、成熟した独自の文化をもっていること。
もう一つは、平和で豊かなこと。


日本文化は尊敬してもらっています。しかし「世界」を語る日本のアーティストは、それをちゃんとふまえていないケースが多いと思います。
お箸がつかえないで、ナイフとフォークで曲芸やって食べてるみたいな感じ。これじゃ、海外ではダメです。

先人がやったことの物真似もダメです。すぐ見透かされます。


あとは、兵隊にとられるでも無し、住む家も食べ物も、とりあえず留学までさせてくれる親がいるってもの、アーティストやスポーツ選手にとっては恵まれたことです。


日本人が世界で活躍する為の環境は、これまで100年の先輩が挫折しながらも切り開いてくれました。
信用も得ていると思います。円高でもあります。

僕らは絶対に許されなかった、社会背景の理解がいまはあります。


羨ましいです。これからが楽しみです。

同時に、中途半端な「漁夫の利」さらいは、認めたくないなあと思います。

熾烈なサバイバルから這い上がった苦労なく、気安く 『世界』 をかたってほしくないとも思います。