「マロニエ王国の七人の騎士」
岩本ナオ 月刊フラワーズ連載中
新刊が出るたびに1巻から読み直したくなる本作、令和のFSS(Five Star Stories)と勝手に名を付けました。
自分用メモで公式見解ではない考察を含みます。
また、最新巻までのネタバレ全開なので、ネタバレを好まない方は以下読まないようにお願いします。
<作品舞台について>
【マロニエ王国】
-大陸の真ん中の国。海無し国。四季がある。
-今年、建国2000年(1巻)
-建国から同じ王家が二千年続いている。
-「この世界が始まったとき 大地はどこまでも真っ赤だったけど この国だけはそのときの色がまだ残ってるんだね」(2巻)
※赤い土で染めた服は、各地で精霊避けの効果あり
-モデルはスペイン
※岩本先生インタビュー記事より
【夜の長い国】
-修道女ヴァルブルガにより建国。
-神様は「夜」。寒い国と同じ神様を祀っている。厳格な一神教であり「夜」からすべてが生み出されたとされる。
-モデルは北欧
※女王ヒュロッキン:北欧神話に出てくるHyrrokkinより
ヒュロッキンは狼にまたがる女巨人である。
夫である王配の名が「ロロ」なのは狼繋がり?
※カステヘルミ:フィンランド語Kastehelmi(露のしずく)より
イッタラの食器シリーズ名で有名
【生き物の国】
-広い領土に小さな部族が点在する穏やかな国
-北は寒冷地帯、中央は熱帯雨林、西は乾燥地帯で、この大陸のほとんどの種類の生き物が生息すると言われている。
-一人の「神様=獣の王」が獣を引き連れて動物だけの国を作ったのが起源とされる。
-獣の王=創世の神、国鳥フラカン=嵐の神、ジャガー王=戦の神、主食のとうもろこしの女神、等、様々なものが神格化され計166柱の神がいる
-八カ国の中で一番長い歴史(6000年近く)を持つ。
-洞窟信仰があり洞窟の上に神殿を立てる。風穴の近くの神殿「風の神殿」は歴代の王の眠る霊廟
-モデルはメソアメリカ
※シロネン:アステカ文明のトウモロコシの神Xilonenより
※フラカン:マヤ文明の風の神Huracanより
【食べ物が豊富な国】
-食べ物が豊かで暮らしやすい国のため、おおらかな国民性。そのせいで交渉や外交は下手。料理も微妙。
-八カ国の中で、裕福度は中くらいだが幸福度はNo.1。
-まず大きな「世界樹」が世界の中心にあり、そこから「太陽」「月」「地下世界」の3つの神が産まれ、その「3神」から「八百万の神」が創られたとされる。
-モデルは東南アジア
※ナレースワン:タイ・アユタヤ王朝の王Naresuanより
※宮殿の地下で観た影絵芝居:インドネシアのワヤン・クリ(影絵人形芝居)と同じ
【好色の国】
-太陽と愛の国
-交易で成功した商業国家。貨幣を信奉しているため神が去った国と言われている。
-過去2回滅んだらしい。(①国王が悪女に溺れた ②美酒で糖尿になった)
-好色の国とマロニエ王国は20年前(?)に領土トラブルあり。
マロニエ王国の西の領土を取られそうになったが、バリバラが好色の国の女王との賭けに勝ち取り戻した。
※その功績でバリバラはマロニエ王国の将軍の地位を得た
-モデルはシルクロードで栄えたイスラム王朝系の都市であろうか? 今後の情報待ち。
【武力の国】
-鋼を祀る国。
-バリバラの出身地。
-箸を使う。餃子。焼きそばパン。
-モデルは中国っぽい……?。今後の情報待ち。
【寒い国】
-夜の長い国と同じ神様を祀っている。
-皇帝がいる。
-「訪問者」はこの国に囲われている。
-20年前、この国を破壊してバリバラは大いなる力を手に入れた。
-モデルはロシア?(3巻53ページ修道女ヴァルブルガが訪問者を投げ返した先に、たまねぎ型ドーム屋根の正教会建築があった) 今後の情報待ち。
【暖かい国】
-冬が無い国。
-炎を祀る国。
-燃える山(火が燃え続けている場所のある岩山)がある。
-モデルは、燃える山だけで判断するとアゼルバイジャンっぽいが、当地は冬が無い訳ではないのでどうかな? 今後の情報待ち。
【大陸に、何が起きているのか】年表っぽく
・大陸は当初7000くらいの国に分かれていた。4000年くらい前に8つの少し大きな国が生まれ統合していった。(1巻)
・50年前にマロニエ王国を中心に八国間で不可侵条約が締結された(6巻)
・20年前 最初の神「ペレグリナス」が、急に神々の世界から消え人の世に顕現(6巻)
・その結果、人の世界はゆがみ恐慌が起こった(6巻)
・「大恐慌」により、各地で異常気象。(1巻)
・「大恐慌」により気候が乱れ、比較的食糧の余力のあった南の国が他国に狙われた。(1巻)
・バリバラとペリグリナスがマロニエ王国に来たのは「大恐慌」の直後。
・マロニエ王国では、1年働けば市民になれるルールがあり、二人は市民になった。
・(市民になったタイミングとの前後不明)好色の国に西の領土を取られそうになった際に、バリバラが賭けに勝って領土を取り戻し、その功績により第十将軍の地位を得た。(9巻)
・19年前 長男(眠くない)と次男(博愛)誕生(1巻)
・18年前 三男(暑がりや)と四男(寒がりや)誕生(1巻)
・17年前 五男(獣使い)と六男(剣自慢)と7男(ハラペコ)誕生(1巻)
・10年前 ペレグリナス死去
・この20年ほど各国で緊張関係が続いている(1巻)
・3年ほど前に寒い国からの提案で(3巻)、八カ国会議が開催され(7巻)、
①マロニエ王国はペレグリナスの「力」を七つの国に返す約束を結ぶ。
②その見返りとして、軍事力の均衡が取れなくなってきた各国に
改めて不可侵条約の強化を要請。
マロニエ王国と信心深い3国は承諾を 残りの3国は足並みを揃える形で承諾。
マロニエ王国の国王と城代はこれに反対したが、「ある国からバリバラを警護する」ことを条件に城代が折れたとのこと。(7巻)
・マロニエ王国建国2000年の節目の今年、ペレグリナスの息子達を各国に派遣する外交が開始
続く。