沼にはまりすぎて反対側のブラジルから地上に出た。
旧ツイッターや海外のファンダムなど巡回。YOUTUBEのコメント欄がだいぶすらすら読めるようになって、人生半世紀、こんなに実用的なニーズによって英語力が上がっているのを実感したのは初めて。「推しの力でTOEIC得点アップ」をテーマに今ならkindleで出版できる。
細かすぎて伝わらない推しシーン。
1) パリのホテルのシーン。「今夜は愛し合いたい」とヘンリーが言って、アレックスがどう返してよいかわからず「……いいよ」と応じるまでのほんの一瞬の間の、「あれ?距離感読み間違えた? 僕ずうずうしかった? 拒否られる?」と不安を浮かべるヘンリーの表情。
2) その直後、ヘンリーがネクタイとシャツを脱ぎだしたところで、二人の目が合っている間は笑顔なのに、ちょっとヘンリーが横を向いた瞬間に、アレックスが余裕のない表情に戻って目をしばたたかせ、超テンパるところ。
3)美術館のシーン。「僕の歴史が書かれるとしたら君との愛についても書いてほしい」とヘンリーが言って、アレックスが「歴史だって?」の名言を吐くまでのほんの一瞬の間の、やっぱりヘンリーの「あれ?自意識過剰すぎた? 僕ずうずうしかった? 拒否られる?」と不安を浮かべる表情。
北米大陸からずぶ濡れで飛んできてまで愛を訴えた相手が、ほんの数秒沈黙しただけでも、不安に陥るヘンリー可愛すぎ。
原作では「まさか愛を返してもらえるとは思わなかった」とヘンリー王子が言うのだが、映画ではそのセリフはないまでも、基本、自分が愛されるわけはないという自己肯定感の低さがせつない。
メールがハックされてスキャンダルが世に出たあと、話もメールもできない中で、ヘンリーは、周囲の誰とも会話することなく、自分のセクシュアリティが世間にさらされたという苦痛と、それ以上にアレックスにも迷惑をかけてもう嫌われたのではないかという恐れに苛まれている。一方、自分の言葉で全世界にお気持ちを表明して、さらには「困ったときのヘンリーの眉毛は可愛い」と脳天気にのろけているアレックスは実に幸せな男である。こいつら一生幸せになりやがれ(呪い)。