社員教育に取り組む その2 ISO9001 | 二代目社長の告白

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かまえオフィスブログからタイトル変えました。

会社を継いでから、思うことを書いていきます。
これから二代目になる人のためのブログです。

 安全第一




 建設業を営む会社にとって、経営審査

一年のチェックポイントです。


経営審査は、経審とも呼ばれ、一言で言えば
公共工事の指名業者としての資格獲得審査です。

決算後、その年の受注工事、社員数、
技術資格の取得状況、社会的貢献度などをもとに
点数が決まります。

点数が高いほど、金額の大きい工事に指名されます。

なので、公共工事に依存している建設業者は
この経審の点数が重要なのです。


 ISOを取得していたら、
経審のポイントに
加点されるということがわかりました。


 大手ゼネコン、サブコンの会社がISOに
取り組んでいることは知っていました。
 
何か書類が煩わしくて、担当者が徹夜して
書類を作っているというのも見たことがありました。
 
中小零細でもISOを取れば、経審に加点されるならば
やってみようか思い、当時社長である父と相談して、
コンサルタントを探しました。


 ISOを取得するためには社員教育も必要。
 
 当時、私が会社で新しい事を何かしようとしても、
受け入れられない雰囲気でした。

 しかし、
ISOで必要なのだからとなれば、
社員も受け入れてくれるかもしれない、あるいは

やらざるを得ないという
思いがありました。

 

経審のポイントも上がり、


社員教育も出来る。

会社のステイタスも上がる(かもしれない)。
 
 
 
ISOはうちの会社にうってつけのものではないか、と判断し、
ISOをやってみることに決めました。

知り合いの伝手を通じて、あるISOのコンサル会社と契約しました。

ISOにもいろいろあって、当社が取得したのは
品質管理の仕方である、ISO9001というものです。
 
ISOを知らない人のために、ここで説明すると、

 ISO9001とは、国際基準で、
会社の管理の仕方が適正かどうかを、
審査し認証するものです。


会社をどう管理していくのか、そのための規約があって、
その規約どおりに管理していれば、認証するという、

ざっくりいうとそんな感じです。



 管理の仕方があるのではなく、

考え方が規約
としてあるので、
 
そこに自社のやり方を当てはめていくというものです。
 
 
 しかし、規約は元々英語で書かれたものを
日本語に訳している
のでわかりにくい。
 
 さらに、考え方を学ぶというのが、ちょっと高度なのです。
慣れていないと、頭がこんがらがるのです。

 「抽象度が高い」という言葉を最近よく聞くのですが、
この規約を学ぶことこそ、抽象度の高い行為です。

難しいし、ややこしいのです。


 「結局何をすればいいの?」

 そういう疑問が起ります。
 
 最初の教育で、コンサルの先生から
「この規約は、100回以上読んでください」と言われて

引いてしまったのですが、

まさにその通りで、

2、3回読んだくらいでは分からないものでした。
  
 そして、規約はたくさんの項目に分かれていますが、
それぞれが密接に関係しあっています。
 
 まず理解するところから始って、それでは実際自社に
当てはめるとなるとどうなるかを
決めていくのです。

 これはこれで、良い面はありました。
ISOをやってみて思ったのは、これは経営者や幹部が
「身につける基本」なのではないかということでした。

 これを話すと長くなるので、書きませんが、
ISOは、本気で学んで、全員が理解したら、仕事は
だいぶスムースに進むと思います。

しかし、私が見てきたISO取得企業は、
その本質よりも、書類が増えたとか、
会社内のやり方と別にISOの書類を作ったりして、
審査を通すための仕事をしていたように思います。

 

 
 今まで現場の仕事しかやらなかった会社で、

コンサルを呼び、

社員教育の時間を作り、

ISOを取得する
とは、

当社にとっても初めてのことでしたが、

やはり当時は

儲かっていたから、そういうことが出来たのだと
今更思います。
 
 でも、当時の私は間違いにまだ気づいていません。
会社経営で大切なのは、順番なのです。

霧の道

 
社内で、
社員の動きを見て、
改善した方がよいと思っても、
最初に行うのは社員教育ではないのです。
 
 ISOに取り組んでみて、その後どうなったかは次回に続きます。