文字に宿る魂 | 行く河の流れ

行く河の流れ

行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。

 昨日、自民党は日本国憲法の改憲草案を決定した。28日の山陽新聞朝刊にジャーナリスト櫻井よしこさんの評論が掲載されていた。僕はとても納得できる意見なので要約して紹介しようと思う。
 「憲法は国の在り方、国柄を示す基本である」と述べ、だからこそ憲法は「その国の文化・文明を踏まえねばならない」と主張する。
 今回の草案前の中曽根氏の当初の案では日本の地理的位置を「太平洋と日本海の波洗う美しい島々」と表現し、日本の国民を「自然との共生を信条」とし、「美しく豊かな地球環境を守るために力を尽くす」とうたう。なんと美しい表現か。櫻井氏はこのくだりを「広く国際社会も共鳴するに違いない」と評価している。また、中曽根氏の素案では「天皇を国民統合の象徴としていただき、和を尊び、多様な思想や生活信条をおおらかに認め・・・」と日本の精神文化に触れていた。しかし、今回の最終草案では全面的に書きかえられ「中曽根色」は一掃された。
 そのような新憲法草案の特に全文を「文章も内容も極めて乾ききったこの文を書いた人々は、日本国への愛情をどれほど持っているのかと疑わざるを得ない」と櫻井氏は述べ、地球上のどの国にも共通する価値観である愛国心を欠落させた日本の現行憲法が「あまりにもいびつ」と酷評する。
 改めて、日本国憲法前文を読んでみた。
 「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために・・・」。
 心に響かない。与えられたものと自ら作り出すもの。完全なものなどこの世にはない。ならば余計に自ら創造したものを持ちたい。今回姿を現した新憲法草案。議論が深まっていくのはこれからだろう。やっと日本が歩き始めた。