以下、『武士道』(新渡戸稲造著 奈良本辰也訳)第9章をまとめる。
この「忠義」という徳目は「何の為に死ねるのか」ということを問いかけてくる。日本人が考えている「忠義」は、他の国ではほとんどその信奉者を見いだすことはできないだろう。それは日本人の考え方が間違っているからではない。他の国では「忠義」が忘れ去られていたり、日本人が他の国では到達しなかったくらいにまでその考え方を進めたからである。
武士道においては、一族の利害とその個々の成因の利害は一体不可分であるとされた。そして日本人は法律や国家にも人格を与えられた。
生命は主君に仕える手段とさえ考えられ、その至高の姿は名誉あるべきものとされたのである。