自分の部屋で窓際にお気に入りの椅子を置きバッハの『マタイ受難曲』を聴いた。2年前の冬に購入したCDでカール・リヒターの指揮するものである。何を買おうか悩み、クラシックの曲を評価している本で研究するなどした。クラシックの曲を買ったことがなかったので試行錯誤の末、やっと辿り着き決心して買ったものである。
このCDのコピーには「『人類の至宝』との言葉すら過言ではない名曲と名演の一期一会の出会いである。凛とした緊張感、静と動・柔と剛の厳しい対峙は素晴らしい。リヒターの峻烈な指揮のもと、独唱者・管弦楽・合唱が一体となって、この奇跡の演奏が生まれたのであろう。≪マタイ≫が聴きつづけられるかぎり、永遠の生命を保つリヒター畢生の名盤」とある。
だいたいこういうコピーは大げさに書かれていることが多いという印象がある。この作品について僕がどうのこうは言うことができない。何もわからないから知りたいという欲求がムクムクと湧いてくる。
倉敷で行われている「バッハの学校」でマタイ受難曲についての講義を受講させてもらったことがある。丸山桂介先生の講義であった。講義の間、まるで時空を超越した知的冒険に誘われた旅人のような興奮を覚えている。とにかくおもしろかった。ファンタジーを感じた。
まだまだ知りたいことは山ほどある。知れば知るほど、自分はいかに知らないかということに気付くことになる。知的冒険はあく なき好奇心をパワーにして続いていく。