自分の立っている位置は自分の歴史でもある。どういう考えを積み重ねてきたか、どういう経験をしてきたか、どういうモノを観たり聴いたりして、そこから何を感じ取ったのか、どういう環境で生きてきたのか、つまり人の考えとはその人の人格を表す。
自分の考えを改めるには、自分の立っている場所を変えてみる必要がある。自分のライフスタイルを少し変化させてみるのである。物理的に同じ所に生活し、同じ人と接し、同じようなモノを見ている限り、なかなかそのループから抜け出すことはできない。
そこに「旅」の有効性を観るのである。「日常」から少し脱却して「非日常」の中に身を置く。その物理的な立つ場所の移動によって、それはやがて精神的な考えの変換へと影響を及ぼしていく。それが経験として蓄積され、先に述べた自分の立つ場所である自分の歴史となっていくのである。
やがて「旅」という強硬手段をとらなくとも、日常生活の中で書を読む中で、木々を眺める中で、珈琲を飲む中で、ふとした瞬間に自分の立つ場所を変える「非日常」を見つけることができるようになるであろう。
