六本木ヒルズ | 行く河の流れ

行く河の流れ

行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。

 久しぶりの東京。泊まっている施設の窓のカーテンを開けると薄暗い夜空にそびえ立つビルが見える。表面は黒光りしており、最上階へと続く壁には青い光がデコレーションしてある。数ヶ月前テレビで見たビルだ。スーツ姿の大群が押しかけ、カメラを持った人たちがフラッシュをひっきりなしに浴びせている。テレビからは騒然とした空気なのだが、そこには熱気が無く、乾いていた。
 何か現実を見たくなり焦点を逸らすと雨が降っている。地面が濡れる程度の軽い霧雨とでも言おうか。まだまだ冷たい雨。
 カーテンを閉め、部屋の天井を見上げ、目を閉じた。SF映画を見ているようだ。