「長所」について | 行く河の流れ

行く河の流れ

行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。

 面接試験を受けてきた。僕はこういう試験では全くと言って良いほど緊張とは無縁な性格である。常に「為すがまま」的な開き直りをしてしまう。良いのか悪いのか・・・。
 いろいろな面接を受ける度に違和感を感じることがある。それは「自分の長所をアピールしてください」というものだ。小学校の頃から先生には「日本人は自分をアピールすることが苦手だから良くない」という台詞をよくきいた。学年の始めの頃には自己紹介のようなものを書かされた記憶がある。その中の項目「自分の長所」の欄だけは毎回頭痛の種だった。
 なぜか?自分の長所をその欄に書くことによって、その長所が長所ではなくなってしまうような感覚があるからである。「自分で言うなよ」というツッコミが自分の心から飛んでくるのである。
 そもそも人の長所とは自分で決めるものではないのではないか?自分では明るい性格を長所と思っていても、周りの人がそれを長所と認めなければ長所でも何でもない。独りよがりだ。
 最近、僕は子どもの頃から持っているこの感覚を大切にした方がいいと感じるようになってきている。世の中の価値観が揺らいでいるせいもあるだろう。日本人的な考え方が様々な局面で見直されはじめている。
「自分はこういう人間です!」
「こういう良いところがあります!」
と、アピールすることは自分の「美意識」に反すると気づいた。自分の善いと思ったありのままの感覚を信じて生きる。その中で人が良いと感じてくれるモノが僕の中に宿るのであれば、その言葉を謙虚にありがたく頂こうと思う。