ISO審査員を目指す上で押さえて欲しい3つのポイント(その1) | 人財育成・ISO研修機関 経営者ブログ

 

を先日よりお届けしています。

 

 

審査員としての活躍を夢見る方であれば、まず基本部分としてご認識を深めておいていただきたい3つの点、

 

1.準備期間は想像以上に時間が必要

2.認定と認証の違いはしっかり理解しよう

3.審査業界の現状を冷静に見つめよう

 

についてお伝えしています。

今日は、2点目の

 

 

「認定と認証の違いはしっかり理解しよう」

 

 

に進みます。

 

 

ここは少々堅苦しい部分ですが、ISO審査員を目指す方であれば、3点目の「審査業界の現状を冷静に見つめよう」とも関連しますので、しっかり違いを理解するだけでなく、自分の言葉で他社への説明ができるレベルになってください。

 

 

まず、組織が審査を受けている機関は、以前は審査機関という言い方をしていましたが、今は認証機関という言い方が主流になっています。

 

ここでもうおわかりかと思うのですが、民間企業に審査員を派遣して審査を行う組織が、認証機関です。

そしてその認証機関が、発行する登録証が、認証証、ということになります。

 

では、認定は何かというと、上記の認証機関が審査をする側ではなく、受ける側に回る際に登場するキーワード、ということになります。

 

審査機関(認証機関)はそれぞれ独立した経営体として審査活動を行っています。

しかしその活動は勝手にそれぞれが行っているわけではありません。

 

ISOが定める規格(基準)があり、それに基づき審査活動を行っているとともに、その活動がほんとうにISO の基準通りになっているかどうかをお目付け役の機関が定期的にチェックしています。

 

それによって、このISOの認証制度が国際的に認められる、ということにつながるわけです。

 

 

つまり、その上部のお目付け役の機関が認定機関であり、その認定機関が認証審査の活動状況をチェックする活動が認定審査、ということになります。

 

したがって、認証機関が得る登録証は認定証、ということになります。

 

図示すると下記のようになります。

 

認証機関は日本にたくさんありますが、認定機関はたった2つです。

 

JAB(日本適合性認定協会)と

ISMS-AC(一般社団法人情報マネジメントシステム認定センター)

 

です。

もともとはJAB一つだけでしたが、ISMS(ISO/IEC27001)の誕生に伴って、JIPDECが認定業務を開始し、現在はISMS-ACが独立団体としてJIPDECから分離独立する形で活動が続けられ、日本における認定期間は2つとなりました。

 

 

したがって、それぞれの認証機関はJABかISMS-ACから認定を受けているところがほとんどということになります。

 

ただし、今ほとんどという言葉を使いました。

全ての認証機関がJABあるいはISMS-ACから認定を受けているわけではありません。

 

認定機関は日本ではなく、海外各国にも存在します。

 

したがって、外資系の認証機関は、本国で本国の認定機関から認定を受け、その傘下で設立した日本法人としてのISO認証業務を行っているところも実はかなりあります。

 

認定機関として、英国のUKAS、アメリカのANAB、オーストラリア・ニュージーランドのJAS/ANZ当認定機関が、日本で活動している認証機関が認定を得ている先として多い機関になります。

 

 

いずれにおいても大事にしていただきたい点は、認証機関がきちんと認定機関から認定を受け、その上でISO認証審査活動をしている、という点です。

 

ISO審査は法規制があるわけではありません。

審査活動はお客様が認めてくださるなら誰でもできます。

 

それこそ極端に言えば、私(青木)が審査して登録証をお渡ししたとしても、そこに規制の網がかかることはありません。

 

しかし、私の発行した登録証の価値は、第三者の誰も認めてくれるものではないので、価値はない、ということは誰でもご理解いただけるのではないかと思います。

 

しかし、それこそ歴史のある企業が、新規事業としてISO審査を始めたらどうでしょうか。

 

それでも良い、というクライアント企業が出てくるかもしれないのです。

ですが、その新規事業として始めた組織が認定機関からの認定を受けていなければ、勝手に行っているISO審査、ということになり、グローバルベースで見れば正規のISO審査を受けた登録証ではない、という評価になってしまいます。

 

つまり二者監査と同等の意味合いにとどまる、ということです。

あくまでISO審査は第三者審査としての価値がグローバルベースで認められる、ということを大事にしていきましょう。

 

 

本日はここまでです。

今日もお読みいただきありがとうございます。