ドラマというもの | typの推しつ推されつ

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都内のメンタルクリニックに勤務しております。折々のお気に入りのコンテンツについて取り留めなく語ります。

5日からのシーズン3の配信に間に合わせるべくつい昨日シーズン2を見終えた「ペントハウス」。



タワーマンション高層階に住む人々の愛憎、欲望、陰謀、策略、復讐などなど煩悩、蛮行、愚行てんこ盛りのストーリー、伏線だらけのどんでん返しだらけ、昨日の敵は今日の友で明日はまた敵、もう誰も信じらない的な、ラーメン二郎ばりにお腹いっぱいになるが見出すと止まらない中毒性しかないドラマ(ラーメン二郎行ったことないけど)なのだが、昨日見た映画がこれ。



言わずと知れた皇帝ナポレオンの伝記映画。

「ブレードランナー」や「エイリアン」など歴史的なSF作品で名をあげたが「グラディエーター」とか「エクソダス」とか文字通り歴史物も作っているリドリー・スコット監督の最新作。


皇帝ナポレオンをあの「ジョーカー」のホアキン・フェニックスが演じており、あのしょぼくれのちブチ切れの道化師からの出世ぶりが味わい深い。


そして、このナポレオン別にそんなにカッコよくもカリスマがあるように見えず、奥さんのジョゼフィーヌが好きすぎるたまたま戦争が得意なおじさんに見えてくるのが不思議。


ほぼヨーロッパ統一みたいなすごいことやってるはずなのに、全編抑制の効いた画面構成で色調も淡く、ストーリーも淡々と進み、これといったスリルもサスペンスも陰謀も策略もどんでん返しも死んだはずの人が生き返ったりもなく、「事実は小説より奇なり」のはずなのだが、大してドラマチックに見えず、ただただ一組の男女の寂しいラブストーリーみたいに感じられた。


とはいえ、3時間近い上映時間の間しみじみと「あーナポレオン寂しい…」と皇帝の孤独に感じ入っているうちに気がついたら見終わってしまったのはリドリースコットの匠の技なのだろう。


二郎系のペントハウスに対して、こちらはあっさりしてるが旨みが深くていつのまにか食べ終わっている一品香のタンメンのような作品。

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皇帝の人生が思いのほか地味でドラマチックでないというのが逆に小説より奇なのかもしれない。


ドラマと言えばまさにDramaというタイトルの曲があって、



紅白には出なかったけど日本でも東京ドーム公演をやるくらい人気のaespaの曲で、MVの映像も煌びやかなケレン味たっぷりのゴージャス&ドラマチックな楽曲でペントハウスさながらである。


一方おなじくDramaという曲を我らが歌姫も歌っておられまして、




こちらは、淡々と少しコミカルにそして切なく歌われる、終わった恋をしみじみと、あんなドラマはまた来るのかな…と思い出す、好対照な楽曲。


人生のドラマも切り取り方はいろいろである。