美しき不機嫌 | typの推しつ推されつ

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都内のメンタルクリニックに勤務しております。折々のお気に入りのコンテンツについて取り留めなく語ります。


以前の記事に「東京女子図鑑」というドラマを紹介したのだが…



2013年放映のIUの最初の主演ドラマ「最高です!スンシンちゃん」はある意味「ソウル女子図鑑」とも言うべきドラマで、三姉妹の末っ子で家族から冷遇されていた主人公はひょんなことから女優をめざすことになるのだが、これといった才能も容姿にも恵まれず、夢や目標もなく自己肯定感の低い人物であるのに対し、姉2人はともに美人でバリキャリだったり、セレブ先輩女優や同時に女優を目指すことになった医者の娘の存在などがいやおうにも自分のコンプレックスを刺激するという設定になっている。



そんな中、艱難辛苦を乗り越え健気に頑張る主人公はスターダムを登っていくIU本人にも重なり胸を打つ。


そして、今のところIUの最後のドラマつまり最新作である2016年放映の「ホテルデルーナ」はIUが押しも押されもせぬ大スターとなってから作られた作品である。



IUが演じるのは幽霊だけが宿泊できるホテルのオーナー社長であるが、金遣いの荒いドSの女社長を演じるIUはまさに神がかっており、1話の間に何度も衣装を変える彼女のファッションと美貌は「動く写真集」と言ってもよいほど。


初主演作のスンシン役でもそうだったが、不機嫌な表情や悪い顔がこれほど魅力的な女優さんはいないのではないか。





IUなら不機嫌だろうがなんだろうが許せてしまうが、慶應大の研究チームの研究によると、不機嫌の人の脳波がある意味「伝染」して周囲の人の脳波の波形をストレス状態のものに変えてしまうらしい。なので職場で不機嫌でいることは「フキハラ」というハラスメントになってしまうそうだ。


そしてそもそも人が不機嫌になるのはなんでかというと、大嶋信頼さんというカウンセラーさんによると、それは「孤独発作」という現象だそう。人はみんな孤独なんだけど、「自分だけが孤独で誰もわかってもらえない」という思いが強くなると発作を起こして不機嫌になるのだという。


なので、不機嫌な人を見たら「この人も孤独なんだな」と思うと少し優しくなれて、フキハラのこちらへの脳波の影響も少し緩和される気がする。


IU演じる不機嫌な女社長もときおりなんとも寂しそうな表情を見せることがあり、そのギャップに見る者は心をわしづかみにされてしまうのである。