上京して15年だが… | typの推しつ推されつ

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都内のメンタルクリニックに勤務しております。折々のお気に入りのコンテンツについて取り留めなく語ります。

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typは上京して15年の歳月を重ねているが郷里の京都と東京との一番の違いは交通の便が非常によいということ。駅前には必ず繁華街があるということにも驚いた。逆に言えばそれ以外にはみんなが標準語をしゃべっていること以外の違いを大きく感じたことはなかった。

 

そんなtypが最近スタッフにお勧めされたのがと東京女子図鑑というドラマ。

 

 

これは秋田に生まれ育ち「かわいいは正義」と思っていて東京でのキラキラした生活に憧れている主人公が地元の公立大学を卒業後、上京してアパレル企業に就職してからアラフォーになるまでの約二十年間の東京生活を描いた物語なのだが、なかなかに女性の人生というか内面に鋭く切り込んだ興味深い作品なのである。

 

冒頭のシーンで主人公の綾は「人からうらやましがられるような生活を送りたい」と自らの価値観を表明する。なんとも他人本位の生き方なのではあるが、多くのひとたちはこれに共感をするらしい。

 

このドラマを紹介してくれた某スタッフによると、集団内のヒエラルキーというか権力構造において上位を占めるために世間的に認められたステイタスシンボルをゲットすることに血道をあげる女性たちが少なからずいるらしい。

 

曰く、ジョエルロブションでディナーをごちそうになるとか。

曰く、ハリーウィンストンのエンゲージリングをもらうとか。

 

typは五十代半ばであるが、どちらの固有名詞も生まれてこのかた見聞したことがなく、おのれの無知を思い知らされたのであるが、これらを誰かに手に入れてもらうことが自己肯定に源泉になりうるということが非常に興味深かった。

 

おそらく金額で表現できる価値のある事物を他者から買い与えてもらうことで自分がその評価額に相当する価値を持っていると確認できるというロジックなのだろう。

 

また、交際相手や配偶者の年収がわりとそのまま自分の価値に直結しているというところも興味深かった。

 

某スタッフによるとtypはそういう価値観を持っていないので類友でそういう人物に出会ったことがなかったのであろうとのことであった。

 

ただ、メンタルヘルスの仕事をしていると、かような価値観を持っているであることを示唆する発言をする当事者の方が少なからず存在することに気付いていた。このドラマをみて金銭的評価額の高い自分を得ようとして一生懸命生きている登場人物に大いに心を動かされ、より共感を持ってそのような当事者の方々に接することができるようになる気がしたのである。