美味しい緑茶で心地よい朝のスタート。
でも、寒い。
寒さだけは前向きに考えられない私。
着込めば・・・解決ってわけには行きません。
暑い夏が好き。
さて、今日の土壌汚染対策法
テーマは昨日に続き第一種特定有害物質の測定方法
昨日は、
採取方法
①減圧捕手瓶法
②捕集瓶を用いた食塩水置換法
まで書きました。
今日は、
③捕集バッグ法
④捕集濃縮管法
の採取方法。
③捕集バッグ法
まず、他の採取法と同様、削孔後孔内に保護管を挿入し、
ゴム栓で密栓します。
その後30分以上放置することで地点による時間のバラツキを抑えます。
次に、機密容器の中にポンプをつなぎ、
捕集バッグを入れ、さらにチューブで保護管につなげます。
ポンプで機密容器内を減圧すると、機密容器内の捕集バッグが膨らみ、
その中に土壌ガスが封入されます。
④捕集濃縮管法
濃縮管(ポーラスポリマービーズ等)の片側に孔内の保護管を、
もう片側にポンプを接続します。
ポンプより100ml/minで一定量の土壌ガスを吸引します。
吸引量は通常100ml
状況に応じて吸引量は調節しても良いです。
吸引された土壌ガス中のVOC成分が濃縮管に吸着されます。
続きまして。
試料の運搬、保管
採取した土壌ガスは、常温暗所で容器の内部が結露しないように運搬します。
保管は運搬と同様で常温暗所、結露がしないこと。
そして、現地分析であれば24時間以内。
現地以外であれば48時間以内に分析が必要となります。
濃度減少の補正
土壌ガス測定の場合、どうしても袋内での吸着が懸念されます。
そこで、その吸着を補正する必要が出てきます。
補正方法としては、
まず現場で既知濃度の標準ガスを実際の試料採取と同様の方法で捕集し、
テスト用試料とします。
このテスト用試料を他の実試料と同様の方法で運搬保管し分析します。
測定結果が既知濃度との差が±20%以内であれば、分析結果をそのまま採用します。
テスト試料の既知濃度と分析器結果の平均値の差が±20%以内の場合は、
次のように結果を算出します。
報告値=土壌ガス分析結果×テスト用試料の既知濃度/テスト用試料の分析結果。
これは、ガス試料測定のテーマですね。
機器分析
装置はガスクロマトグラフを用います。
検出器は前回述べましたが、
①光イオン化検出器(PID)
②水素イオン化検出器(FID)
③電子捕獲検出器(FID)
④電気度伝導度検出器(ELCD)
⑤質量分析装置(MS)
のいずれかで、測定対象物質が定量下限値まで測定可能な方法を採用します。
PIDは用いるランプの光源によって測定可能な物質が異なります。
10.2eVの場合、二重結合を持たない化合物は測定が不可能です。
11.7eVの場合、二重結合を持たない化合物も測定可能で、第一種特定有害物質11種類全て測定可能です。
ただ、感度の問題もあるので直接捕集で二重結合を持たない成分を0.1ppmあるいは0.05ppmのレベルまで測定が可能かどうかは分かりません。
一方でELCDはハロゲンを持たないベンゼンのみ測定できません。
現場型のガスクロマトグラフでPID,ELCDを併用した装置があり、
この二つの検出器で11成分を測定するのが便利です。
もう1つの利点として、ELCDとPID両方で検出できるものが、
一方の検出器のみにしか出てこない場合、
これは、測定対象物質で無いと言う判断基準にすることも出来ます。(ピークの誤認を防げる)
あと、ECDもベンゼン以外は測定可能ですが、
検出器の特性上現場への持ち込みは困難です。
FIDは選択性という面で厳しいかと。
特に油汚染のある地点では、油特有のピークにより、
測定対象物質がうまく定量できなくなる可能性があります。
PID、ELCDの簡単な説明については、こちら。
http://ameblo.jp/tech-o/entry-10563236909.html
FIDの簡単な説明については、こちら。
http://ameblo.jp/tech-o/entry-10551282485.html
ECDの簡単な説明については、こちら
http://ameblo.jp/tech-o/entry-10556219284.html
ほんと、簡単な説明ですが・・・・。
試料導入
直接捕集法
ガス体とシリンジを用いて、0.2~1ml土壌ガスを直接導入します。
捕集濃縮管法
捕集したガスを熱脱着装置で加熱気化し、分析装置へ導入します。
検量線の範囲内に入らない場合は、試料採取量を減らして再測定になります。
これは、加熱脱着法の難点でもありますね。
ま、今日はこんなところでう。