今、六時前
娘二人が起きてきました。
三女も起きてます。
さて、今日はガスクロマトグラフィーの検出器ECDです。
なんか、技術士がらみのブログ久しぶりです。
勉強自体をサボっているわけではないのですが・・・・
ECDは環境分析では。
主に、PCBやアルキル水銀の測定に用いられるのが主だと思います。
かつては、トリクロロエチレンやテトラクロロエチレンなどの塩素系VOCの測定に用いられたこともあるようですが、
私は、測定したことは無いです。
あとは、ガス中のN2Oや、
VOCの排出抑制に関する除外物質の測定としても、
用いることが出来ます。
で、
ECDですが、
Electron Capture Detector
の略でECD、電子捕獲検出器といいます。
原理
簡単に言いますと、検出器にNi(63)のベータ線が放射されます。
そこに、カラムから流れ出てきた、キャリアガスN2がイオン化されます。
イオン化されると電流が流れ、それがベースとなります。
そこに、ハロゲンなどの電子大好きな元素をもつ化合物が入り込むと、
その電子(Electronを捕獲(Capture)します。
そうなると、検出器を流れる電子の量が少なくなり、流れる電流も小さくなります。
その変化した電流をピークとして表されます。
といったところです。
式で表すと、
β線
N2 → N2+ + e-
この自由電子が電流の元となり、クロマトのベースになります。
そこに電子親和性の化合物が入り込むと、
AB + e- → AB-(非解離形電子捕獲反応)
又は、
AB + e- → A- + B・(解離形電子捕獲反応)
が、起こります。
さらに上記反応で生じたAB- とA-は下記のような中和反応がおこります。
AB- + N2+ → AB + N2
A- + N2+ → A・ + N2
これらを通じて、検出器内の自由電子の量が少なくなります。
で、一定であったベースラインが変化して、ピークが出現するわけです。
ECDの管理
先にも述べましたが、
ECD検出器にはNi63が放射するβ線を用います。
よって、「放射線障害防止法」に基づいた管理が必要となります。
書類による管理はもとより、ECD装置の設置場所の扉にも所定の表示をする必要があります。
また、ECDの管理には、放射線取扱主任者の選任が必要となるなど、
放射線を使用する特性から、他の検出器と違った側面の管理が必要となります。
選択性
ECDは選択性かつ、高感度な装置の一つです。
ハロゲン、ニトロ基等の親電子系の官能基を検出します。
絶縁油中のPCB分析にもECDを用いた測定が用いられております。
このように、ECDは優れた検出器の1つですが、
一方で、放射線使用という性質上、
分析室内での洗浄等の行為が出来ないのがネックです。
検出器の汚染が進むと、高感度ゆえに、ノイズの大きさが目立ちます。
このような場合は、
検出器の温度を高くしたり、カラムを通して有機溶媒を注入する必要があります。
今日は、このくらいで。