マイぱみゅぱみゅを探して早半日!
どこを探せど、探せども見当たりません…
グレープ屋さんを後に歩き出すと、1人の女性が私に声をかけてきました。
女性「すみませーん!絵とかに興味はありませんかー?」
やはりこのファッションのせいでしょうか?
わかる人にはわかるんですね。
しかも絵に興味はないか?なんて、アートな人にはアート人が寄ってくるんだ!
やはり、絵を売る人なんかはオシャレに敏感なんですね。
私を見て黙っては居られなかった、ってわけですか?
私「絵は好きですよ、大きな絵をよく眺めていますよ」
私は本当の事を言いました!
だって私の家(段ボールハウス)からトンネルの壁に書いてある大きな落書きの絵がよく見えるんですから。
女性「そうですよねー珍しい格好なさっているので、やはり絵やアートがお好きなんじゃないかな?と思ったんですよ、すぐ近くで展示会をしているのでご覧になりませんか?」
褒められた、私もまんざらじゃありませんでした。
私「構いませんよ」
そう言って、近くの展示会場へと女性に案内され行きました…
展示会場は本当に10mもしない場所にあり、私を案内すると女性は、すぐにいなくなりました。
すると男性と、先程の女性が出て来て、この絵を買って欲しいと持ち掛けて来ました。
女性「アートがわかるお客様に是非どうですか?」
すぐさま男性が…
男性「お似合いですね、アートなお客様には150万円のところ、半額の75万円でお譲りします!」
私「いや、いや、ちょっと待って下さい!私がオシャレで、この絵を進めたいという、あなた方の気持ちはわかりますよ。確かに今日、私はオシャレして来ています、しかし75万円も持ってないですよ!」
女性「大丈夫ですよ、お客様、当店はカードローンも承っておりますので、ご安心下さい」
私「カードは持ってないんです」
男性「何か身分証明するものがあれば簡単にお作り出来ますよ」
私「それもありません」
男性「お客様、冗談はよして下さい、今時、何も持って無いなんてないですよ」
私「本当にないんですよ」
男性「わたりました、ではお名前と住所を書いていただければ…」
私は仕方なく財布の中身を見せました…
これと、
あと、これ…
私「コスト6マナですよ」
その時、男性の顔色が変わりました!
もしや、こいつデュエリスト⁉
男性「……」
あと、これなら何枚でもある!と、これも差し出しました。
2人は唖然(あぜん)としていたので、
ついに、私は面倒くさくなり、正直に話ました…
無職でギャンブルと酒をくらい、多摩川で生活し、形だけの職安に行き寒さをしのいでいる事、競輪に素晴らしさ、酒の素晴らしさ、そして何故オシャレをし、ファッションリーダーとして、この街に来た今日の本当の目的を…話しました。
そう言うと、男性は血相を変えて、テーブルを叩きながら言いました…
男性「お前!プー太郎かぁ?黙って聞いてりゃいい気になりやがって、何がオシャレだ?何がファッションリーダーだよ!
それ、ミキハウスじゃねーか!
デニムもいつの時代だよ?
駐車場の鎖みたいの着けて、ジャイアンツのキャップだって、それいつのだよ?今そんなの売ってないぞ!
そんな、ダセぇ服来て、気取りやがって!
おまけに、口開いたら、えらく酒くせぇじゃねーか!ここはお前なんかが来るとこじゃねーんだよ、汚ねーな帰れ、金払わないで済んだだけありがたいと思え、帰れ!」
どうやらデュエリストではなかったようです。
残念☆~(ゝ。∂)
しかし…
罵声や罵(ののし)りには慣れていましたが、流石(さすが)に、いきなり連れて来られて、金や身分証明が無いだけで、なんでそんな事を言われないといけないんだ?
なんで怒られなきゃいけないんだ?
と、思い怒りに満ち溢れました。
私「酒くせぇの何が悪いんだよ、競艇場にも行った事ない、なまくら坊主が、俺がオシャレなのが羨ましいんだろ?デュエマなら受けて立つぞ!」
そう言って私は、絵の展示会場の前で、盛り塩をポッケに入れ、小便をし、看板に長渕キックをかましました。
しかし、なんだか腑に落ちません。
確かに、ここに至るまで酒は相当飲んでます。
しかし、否定される程、まだ飲んでいません…
しかも、自身満々のコーディネートまで全否定!
なんだか私は、不安になって来てしまったので、近くにあったFOREVER21と書かれた大きな店に入りました。
流石に、直すとこなんて今日の私には微塵もないですが、参考程度に聞いてみようと…
店員「いらっしゃいませ」
私「すみません、いきなりで申し訳んですが、今日の私のファッション直すとしたら、どこですか?」
と聞くと。
店員さんは、恥ずかしそうに…笑いながら…
「全部です」
と答えました!
私のファッションは新風どころか、風すら吹いていなく、むしろ羨望(せんぼう)の眼差しは冷ややかな視線でした…
私はそれでも信じたい。
私のファッションを…
ファッションリーダーとして誇りを、このFOREVER21には、少し早過ぎるのだ、仕方ない…そう感じて、店を後にしました。
そして次にH&Mと書かれた店に入りました。
同じ様に、私のコーディネートについて店員に尋(たず)ねると、先程同様の答えが返って来ました。
私のファッションのどこをどう直せと言うのだ?
まさか、私のファッションが間違っていたのか⁉
そうなのか?
そのまさかなのか?
そうなんだ。
そうなんだ…
その時、私は初めて鏡に映る自分の姿を見ました。
確かに酷いかもしれない。
しかし、新しい服を買う金も無い。
H&Mを肩を落とし、歩いていると、修学旅行中の中学生グループがなにやらこちらを見て、笑っています。
中学生A「見てみろよ、あの人お前と同じ靴履いてるぞ!」
中学生B「本当だー!大人で履いてる人初めてみたわ!笑、やっぱダセーな、これ捨ててNIKEで靴買って帰ろ!」
中学生A「本当ダセーもんな、それ。あの人、俺らと同じ大分の人かな?」
中学生B「オシャレな人ならいーけどあいつと同じは嫌だわ、マジ靴買おう!笑」
そうです、この
清楚な白は学校の指定靴で、どうやらダサい分類に入るようです。
何もかも否定された、私は途方に暮れ、全身を覆い隠す様に走り去りました。
そう、原宿と言う街は、マイぱみゅぱみゅどころか、私自身を受け入れてはくれませんでした…
なにがオシャレだ!
なにがファッションだ!
この街には、競艇場も競馬場もないじゃないか!
こんな街飛び出してやると原宿を全速力で走り去りました。
私は泣きながら、マイホーム多摩川を目指しました。
ワンカップ大関を片手に…
気付くと多摩川に着いていました。
時間は朝を迎えていました。
すると…
また、つづく。






