合言葉その3 | TEC GOD OF DEAD だよ。読むだけ時間の無駄だと思われるか不安だけが募ります。

TEC GOD OF DEAD だよ。読むだけ時間の無駄だと思われるか不安だけが募ります。

アーティストTEC GOD OF DEADのなんとなく公式的なブログ☆

※決して為にはなりません。

すると私の家(段ボールとブルーシートで出来たワンルーム)付近の土手に見知らぬ女性が多摩川を眺めていました。

朝方だったので女性という事はよく分かりました。

私の家に向けて花火を放つ、子供達や悪ノリの大学生なら、ときたま居ますが女性が居たのは始めてです。
しかも訳ありげに川を眺めています…

いつもなら誰かが居ても素通りするのですが、この日は何が違いました。

まさか、これがマイぱみゅぱみゅとの出会い?
原宿じゃなく多摩川で?

そう思い、勇気を出して声を掛けました。

私「お嬢さん、こんな朝方に何かありましたか?」

川を眺める女「……」

私「すいませんね、こんなダサい奴が声なんか掛けてしまい、川を眺めるなら、向こうの方が景色がキレイですよ」

川を眺める女「……セン…デス…」

どうやら女性は泣いているようで、すすり泣く声で私に言いました。

私「こちらこそ、すいません。何かあったなら放っておきますね失礼しました」

そう言って私は立ち去ろうとしました。

すると女性は話出しました…


川を眺める女「ママガネ、ワタシ、フジオカシャチョトパロパロシタ、イウ、ブジオカシャチョトハ、パロパロナイヨ、パロパロダメネ、パロパロヨクナイ!パロパロダメ!ワタシカナシイ」





????




どうやら彼女は日本の女性ではなく、フィリピンの女性でした…

熱く話出した彼女に私は唖然としながら訪ねました?

私「何があったんですか?」


すると、彼女は私に今までの、いきさつを話始めました。


以下、カタコトの為文書にすると非常に分かりにくいので、通常の会話として書きます。

川を眺める女「私の働いているスナックに来るお客さんのフジオカ社長と私がパロパロしたんだろ?とママに言われたの。私はパロパロなんかしていないわ、パロパロなんてダメよ、食事に連れて行ってもらっただけ、なのに、フジオカ社長は1番のお客さんでママのお気に入りだから、お前はもう出ていけ!とスナックをクビになったの、それからアパートも追い出されたわ悲しいわ」

彼女は必死に話しました。


私は突然の事で、よく理解出来ませんでしたが、彼女に訪ねました。

私「君名前は?」

彼女「ワタシハキャリダヨ」

私「は?」

彼女「キャリー」


キターーー!
♪───O(≧∇≦)O────♪


これはまさしく運命つまりディスティニー!

稲妻が走りました!

だって私はマイぱみゅぱみゅを探していたのですから。


そして偶然にも彼女は私の前に現れた!

すると、彼女はまた同じ様な事を話出した…

一つ一つ内容を整理しながらまとめていくと。


彼女の名はキャリー。
フィリピンから出稼ぎで日本へ来た様で、スナックで働いていて、毎月フィリピンに住む両親に仕送りをしているらしく、夢はいつか、フィリピンで学校の先生になる事。
そんな彼女は、どうやらスナックのママのお気に入り客のフジオカ社長と言う男性とキャリーがデキてるんじゃないかと、疑われ、頭にきて、キャリーをクビにし、家財道具以外の家にある持ち物はすべて、ママの家に持って行かれ、キャリーの住んでいたアパートも引き払ってしまった様です。

私は話を聞いているうちに、飽きてしまい、私の事も話始めました。

お酒の有り難み、競輪の臨場感、ジャン(鐘の音)の素晴らしいさ、馬が何故競い合い走るのか…

気付くと私は、その日の原宿での屈辱を忘れ、キャリーに熱く語っていました。

キャリーは言いました。

キャリー「シャチョサンアナタナマエハ?」
(社長さん、あなた名前は?)

私は言いました。

私「TECですよ、社長じゃないよ」

キャリー「オッケーテックシャチョサン」

私「社長じゃないよ」

何度か否定しましたが、どうやらキャリーからしてみたら日本人男性は皆、社長の様です。


喉も渇いたので私は家から、ここぞ!という時の為にとって置いた、飲み掛けの一升瓶(いっしょうびん)とデカいスルメを持ち出し、キャリーと語り合いました。

僕らは、すぐに意気投合し、気付けば昼間まで土手で語らいました。
まるで学生時代の様に。

はたから見れば、ただの浮浪者と不法滞在者。
それでも僕らは、土手で語り合いました。

私は競艇、彼女は母国への思いについて話ました、途中何度もパロパロはダメと力説していました。

私は言いました…

私「キャリーはさ、キャリーパロパロだな!笑」

キャリー「シャチョサンワタシキャリーダケドパロパロジャナイ!」

そんな事を話しているうちに、私はキャリーパロパロに対し不思議な感情を抱く様になって来ました。

これは、まさか…

マイぱみゅぱみゅならぬ、マイキャリーパロパロとの出会い⁈


そして私はキャリーパロパロの為に一曲披露しました!

『PAN』

パロパロパロパロパロパロウェイ、パロパロウェイウェイ!
パロパロパパパ、パロパロウェイパパ
パンパン!

もちろんアカペラで…


キャリーは、良い歌ねと微笑みました。

私は気分が良くなり、得意のラップを披露しました!
唄も交えながら…




『KYO・U・TEI』
         
金掛けYea! 競艇Good!
だけどいつも酒飲んでBoo!
That's all right!
それでも時代を極めるそうさボクらはKYOUTEI HERO!
ME are “FOOL"
オシャレして原宿カッコつける
ジャガーの靴でもいいでしょ?
ミキハウス着てたっていいでしょ?

You are my PARO! PARO!
いつもすぐそばにある
職はないよ 誰もじゃまできない
今すぐに金を集めて 掛けまくれ
KYO・U・TEI
KYO・O・TEI for dream

今日も競艇行っちゃってる
金が無いのにも行っちゃってる
とにかくいつでも狙ってる
当たり馬券とか希望探してる
Every競艇! Every競輪!
まだまだ人生終わらない
いまから始めてみればいいじゃない
Let's 競艇!
Let's 競輪 yea!





キャリーパロパロは涙し、喜んでいました、母国フィリピンを思い出すと…


私達が仲良くなるのに、さほど時間はいりませんでした。


しかし、時刻は昼を回っています、眠気もありますが、目の前のキャリーパロパロより私は今日の競艇が気になって仕方ありません。

私がソワソワしだすと、キャリーパロパロは言い出しました。

キャリーパロパロ「シャチョサン、パロパロジャナクテ、ソワソワシテル、ヨウジアルナラ、イケバイイヨ、カエッテキタラマタアエマスカ?」

略「社長さん、パロパロじゃなくて、ソワソワしている、用事があるなら行ってください、帰って来たらまた会えますか?」

私はキャリーパロパロの健気(けなげ)さ謙虚さに感動して、つい言ってしまいました。

私「キャリー!男には眠くても、辛くても、負けると分かっていても、やらなくちゃいけない勝負がある…それが競艇なんだ!こんな男でもいいなら待ってくれ!」

キャリーパロパロ「ワタシ、シャチョサント、モトイッショ二、オシャベリシタイウタキキタイ」

略「私はあなたと、もっと一緒に居たい、おしゃべりしたい、歌も聴きたいわ」

その言葉を聞いて私は感動しました。


こんな社会のクズにでも、手を差し伸べてくれる人が居るのかと思うと、自然と涙が出てきました…

そして決心しました!








競艇場に行こうって。



いつか誰かが言っていた言葉をふと思い出しました。

「フィリピンの女はい~い仕事するよ~」


そんな言葉も拍車に掛かり、私はキャリーパロパロに思い切って言いました。

私「キャリー!もし良ければ、こんな家だけど、ここで一緒に暮らさないか?行くところが無いなら、うちに来いよ!」


恐れ多くも私はそんな事をキャリーパロパロに言いました。

すると、キャリーパロパロは、笑顔で頷(うなず)き、スナックのママのところへ行って荷物を取って来ると言いました。


2人で合言葉を作り。








そう合言葉はBIGLOVE


そして、夜に会う約束をして。


つづく。