「駆ける魂」(下) 中井川GM@日経新聞 | てっちゃんとコテッチャンのブログ

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サッカー、Jリーグ・川崎フロンターレ、マラソン、旅行、温泉、グルメなど、様々な日記を書き綴りたいと思います。

日経新聞夕刊スポーツ欄


モンテディオ山形GM 中井川茂敏(52歳)


第3話 2011/1/19


 1997年に社団法人化したモンテディオ山形には母体となる企業はない。「母体は地域なんですよ」とゼネラルマネージャー(GM)の中井川茂敏はいう。推進するのは、地域に根を張り、地域に支えてもらうクラブづくりだ。


 そのためにも、地域住民にクラブの内情を知ってもらうことに力を注ぐ。営業収入は2008年が約6億3000万円、1部(J1)に昇格した09年が約11億7000万円。10年度は約13億円を見込むが、それでも2部(J2)の上位クラブと変わらない。


 中井川は精力的に公民館や学校に出向いて講演を開き、住民や企業にそうした実態を説明する。「我々の経営規模はまだJ2レベルなんです」。そう訴えることで、「厳しい中で頑張っているんだね。すごいね」と共感してくれる人を増やせるかもしれない。子どもたちに勇気を与えることができるかもしれない。そして、地域とのつながりが深まる。


 年に15~20回は選手が小学校を訪れて夢を語り合う「夢クラス」を行っている。その恩返しに生徒たちが全校応援に来てくれる。


 いま、練習場には平日で100人が集まり、天気が良ければ300人に達することもある。「おばあさんが持参したイスに座って、孫を抱いて練習を見ている。以前は考えられなかった光景ですよ。新しい文化が生まれたんでしょう。この地域が変わってきたのが実感できる」


 ホームスタジアムのある天童市の13地区のうち6地区にサポーターズクラブが続々と自然発生し、アウェーの試合にもバスツアーを組んで応援に来たりする。それだけクラブの価値を認め、ありがたみを感じる人が増えたということだ。


だからこそ、選手には「山形のために戦っているのだ」と強く意識させている。大物がいるわけではないチームが規律を重んじ、魂のこもったプレーをするから、住民はスタジアムでともに戦ってくれる。


 もちろん、支援者が増えたのは、09年に初めて昇格したJ1で15位につけて、しっかり残留を果たしたからだ。J1での2年目を13位で終えた中井川は「今後はより選手育成に力を入れて、全体の底上げをして、目標を上げて行きたい」と話す。昨季、約1万1000人だった1試合平均入場者も増やしたい。


 前身のNEC山形サッカー部は1992年の山形国体のためにつくられたチームだ。国体後、「もう強化する必要はない」という声を封じるために尽力した。「遺産を残さなくてはと思ったんです。山形から全国のリーグを戦うチームを出したくて。ここまで来ることができたのは、幾度かの危機で多くの方が支持してくれたおかげですよ」


 遺産は残った。週末になると、チームのユニホームを着たお年寄りが自転車に乗ってスタジアムにやってくる。田園風景にそんな姿が重なるのを目にして、中井川は感慨にふける。「我々の仕事は地域の人々の『生きがいづくり』と言ってもいいのかもしれない」




連載担当、吉田誠一



以上で連載終了です。



<感想>


吉田誠一さんは、日経新聞(朝刊)で毎週水曜日(?)に「フットボールの熱源」というコラムを書いていらっしゃるスポーツライターです。世界のフットボールを観察しながら、日本サッカーを応援していらっしゃり、私のお気に入りのライターさんです。


今回、吉田さんは非常に好意的な目線でモンテを取り上げたと思います。世界のフットボールクラブを見続けた知識人から見ても、モンテディオというクラブは魅力的な、そして、何とか頑張って欲しいクラブということでしょう。キックオフイベントの件では失策気味ではありますが、これもまた、「まだまだ成長中のクラブ」の証として大目に見てやって欲しいと思います。


今回の連載ではフロンターレが歩んできた道のりに重なるものを感じました。コテッチャンの故郷のクラブとはいえ、山形を応援することになっただけの理由があったのかな?と思いました。


そんな両クラブですが、今季は開幕で激突します。フロンターレとしては天皇杯のリベンジ、モンテディオとしてはリーグ戦での初勝利(初ゴール)を狙ってくるでしょう。昨季の5位vs13位とはいえ、面白い試合になりそうです。





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