長い間、世界中で飲まれ続けてきたお茶。昔は薬として用いられていたともいわれています。お茶は健康によさそうだ…と、緑茶や紅茶などのお茶の研究が進められてきました。紅茶には、紅茶ポリフェノールやカフェインなど健康に役立つ成分が含まれ、世界的にも様々な研究が発表されています。当社も、緑茶や紅茶の機能性に関する研究に長年取り組み、様々な機能性を明らかにしてきました。今後も、皆様に役立つ新しい発見をお知らせできるよう、研究を続けていきます。

 

ここでは、紅茶の代表的な健康情報をご紹介します。紅茶は健康にも役立つ飲み物ではありますが、薬ではありません。香りを楽しみながらおいしく味わうことで、リラックス効果ももたらしてくれます。おいしく楽しく紅茶を味わう…そんな紅茶の楽しみ方が心身を健康に導いてくれることでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

紅茶ポリフェノール

心疾患や脳疾患などの様々な生活習慣病の予防が期待できます。

●血中コレステロール上昇抑制作用

コレステロールの排泄を促す。

●血小板の凝集抑制作用

血液をかたまりにくくし、血栓の防止につながる。

●血圧上昇抑制作用

血管収縮による血圧上昇を防ぐ。

●血糖値上昇抑制作用

消化酵素の活性を抑制することにより、血中へのぶどう糖の吸収を抑制する。

●抗酸化作用

活性酸素を不活性化させ、老化防止につながる。

●抗ウイルス作用

インフルエンザウイルスに取りつき感染力を奪う。こまめに飲むことが大切。ミルクは加えないように。

●抗菌作用

O-157など食中毒菌に対する抗菌作用。

●抗う蝕作用

虫歯菌に対する抗菌作用と虫歯菌が産生する歯垢形成酵素を阻害する作用の二重効果がある。

●消臭作用

においの原因物質を吸着。食後の口臭防止やシックハウス症候群の原因ホルムアルデヒドの吸着効果も。

カフェイン

●疲労回復

大脳の中枢神経に作用し、疲労を癒す。

●利尿作用

体内の老廃物を排出する。

●強心作用

血液循環や新陳代謝を活発にする。

●消化促進

胃液の分泌をよくし、消化を促す。

●脂肪燃焼

運動前に摂取すると、グリコーゲンより先に脂肪を燃焼する。
 
 
 

 

ご存じでしたか? 毎年11月1日は「紅茶の日」です。1983年(昭和58年)に日本紅茶協会により定められました。その由来は、1791年(寛政3年)の11月1日に、伊勢の国(現・三重県)出身の船頭・大黒屋光太夫という人物が、ロシアの女帝・エカテリーナ2世のお茶会に招かれ、日本人として初めて外国での正式な茶会で本格的な紅茶を飲んだ、という逸話からきています。しかし、なぜ日本人の船頭が、遠く離れたロシアの皇帝のお茶会に招かれることになったのでしょう。その裏には、大黒屋光太夫の波乱に富んだ人生が隠されています。その足跡を少したどってみましょう。

 

江戸時代-1782年(天明2年)12月9日のこと、伊勢の国の白子港(現・三重県鈴鹿市)から、廻船・神昌丸が出港しました。船頭は、井上靖の小説『おろしや国酔夢譚』の主人公としても知られる大黒屋光太夫(1751-1828)。船員は総勢17名、米や木綿などを積み江戸に向かいました。 しかし出港から4日後、神昌丸は遠州灘で嵐に見舞われ遭難してしまいます。光太夫らは約7ヶ月もの間漂流を続け、ようやくロシア領・アレウト(現・アリューシャン)列島の小さな島、アムチトカに上陸。厳しい寒さの中、多くの仲間を失いながらもこの島で約4年を過ごし、帰国嘆願のためにシベリア本土のカムチャッカ半島へ渡りました。しかし、当時の日本は鎖国状態。嘆願は却下されてしまいます。

 

それでも光太夫らはあきらめず、帰国許可を求めてシベリアをまさに「横断」します。カムチャッカからオホーツク、シベリアの中心都市イルクーツク、そして首都サンクトペテルブルクへ。ペテルブルク到着は1791年2月のこと。総移動距離は1万kmを超え、アムチトカ漂着から実に8年もの歳月が過ぎていました。

 

光太夫らがペテルブルクを目指した理由は、女帝エカテリーナ2世(1729-1796)に直接帰国の許可を願い出るため。その並々ならぬ苦労と努力の甲斐あって、ついに謁見がかないます。彼らの境遇に深く同情した皇帝はすぐに帰国許可を与え、翌年、光太夫らはオホーツク港からついに帰国の途についたのです。しかし、帰国したのは光太夫のほか2名のみ。他の仲間は、厳しい旅路の途中で命を落とすか、ロシアに帰化していったと伝えられています。

 

大黒屋光太夫の足跡

 

さて、皇帝への謁見から帰国までの間、光太夫はロシア皇太子や貴族、政府高官から大変優遇されました。様々な招待を受け、当時のロシア文化、社会を体験しています。また、エカテリーナ2世の文化的事業に協力するなど、大きな足跡を残しているのです。 こうした貢献からか、ペテルブルクを離れる直前の1791年11月1日、光太夫はエカテリーナ2世のお茶会に招かれ、日本人として初めて、本格的な欧風紅茶(ティー・ウィズ・ミルク)を楽しんだといわれています。このことから、日本紅茶協会は、この日を日本における「紅茶の日」と定めました。

 

決して帰国をあきらめず、仲間を導きシベリアを横断した奮闘ぶりと、ロシアにおける功績を考えれば、皇帝のお茶会に招かれたというエピソードもごく自然なことに思われます。ロシア滞在中想像もつかない苦難を味わった光太夫も、エカテリーナ2世をはじめとするロシアの人々の温かい心に触れ、優雅な宮廷の一室でおいしい紅茶とお菓子を楽しんだひとときは、きっとおだやかな気持ちに満ちていたことでしょう。

 

11月1日には、そんなエピソードに思いをはせながら紅茶をいれてみませんか? とっておきの茶葉とティーセット、もちろんお菓子も忘れずに。きっと、“ティータイムがある幸せ”を感じられることでしょう。

 

 

 

 

「オレンジ・ペコー」・・・紅茶のファンなら、きっと聞いたことのある言葉だと思います。紅茶の名前のようですが、これは茶葉のサイズを表す言葉です。


同じ産地、同じ樹から採れたお茶でも、製造工程の中でその大きさはバラバラになります。葉の大きさが揃わないと、熱湯を注いだときに葉の開く時間もまちまちになり、味のバランスは一定になりません。そのため、紅茶は製品化の際、葉の大小によっていくつかの種類に分類されます。これを「等級区分/Grading」といいます。


等級(グレード)というと品質の優劣のようですが、紅茶の場合はあくまでも「サイズ」のこと。グレードはそれぞれの葉が持っている特徴や用途によって決められるもので、大きいから高級というわけではありません。このように茶葉の大きさの違いを理解すれば、紅茶をさらにおいしく楽しむことができます。

 

注)文中に「水色」という言葉がありますが、これは「すいしょく」と読み、紅茶抽出液の色のことを指します。

 

 

 

 

 

 

 

オレンジ・ペコー(OP)

葉の長さが1cm前後ある、細長い大型のリーフティーのこと。ペコーは白いうぶ毛のついた茶の芯芽を意味する中国語の白毫(パイハウ)が語源です。一般的に水色は明るく、しっかり蒸らすことで豊かな香りを楽しめます。

ブロークン・オレンジ・ペコー(BOP)

OPより小型のグレード。産地によっては製造時にローターバンという機械で葉を切断して作られます。比較的短い蒸らし時間でしっかりした香味と水色を抽出できます。

ブロークン・オレンジ・ペコー・ファニングス(BOPF)

BOPよりさらに小型のグレード。香味と水色が出やすく、主にティーバッグ用として使われます。

ダスト(D)

粉茶状の茶葉で、等級区分の中で最も細かいグレードです。

シー・ティー・シー(CTC)

CTCとは、Crush(押しつぶす)・Tear(ひきさく)・Curl(丸めて粒にする)の略。短時間で抽出できるように開発された製法で、茶葉の外観は特徴的な粒状をしています。CTCは製法名なので、CTC BOPやCTC PFのように、サイズに応じてその後にグレード名がつけられます。

 

 

 

 

スリランカ

インド南東に位置する島国。「セイロンティー」の名で世界的にも知られている(セイロンは旧国名)。

ディンブラ

中央山岳地帯の西側に広がる高地。水色は明るく鮮やかな紅色。マイルドで優雅な香りと適度な渋みを伴うバランスのとれた味わいが特徴。

ウバ

中央山岳地帯の東側に位置する高地及び中地。水色は明るく赤みのある橙色。ウバフレーバーと呼ばれる特有の爽快な香り、刺激的な渋みを持つ力強い味わいが特徴。世界三大紅茶のひとつ。

ヌワラエリヤ

中央山岳地帯の最高地。水色は淡く明るいオレンジイエロー。発酵が浅く、緑茶にやや似たすっきり爽快な渋みと優雅でデリケートな香りが特徴。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中国

茶発祥の地であり、紅茶も18世紀後半に中国で誕生した。国内消費は緑茶(釜炒り製)が中心。

キーマン

中国・安徽(あんき)省南部に位置する産地。外観は針金のように細く撚れた形状で、黒みを帯びた色合い。水色は明るく澄んだ橙黄色。スモーキーな奥深い香りとまろやかな味わいが特徴。世界三大紅茶のひとつ。

ケニア

東アフリカの代表的な紅茶産地であり、世界第1位の茶輸出国。

外観はCTC特有の丸い粒状。水色は明るく、赤みが強く鮮やか。フレッシュでマイルドな香りと味わいが特徴。

 

 

 

 

 

紅茶は、世界中の様々な土地で作られています。産地ごとの自然環境や栽培・製造方法によって特徴も異なり、それぞれの個性を楽しむことができます。ここでは、代表的な産地の紅茶をご紹介しましょう。

 

 

注)文中に「水色」という言葉がありますが、これは「すいしょく」と読み、紅茶抽出液の色のことを指します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

インド

19世紀前半から茶栽培を始め、紅茶の生産量、消費量ともに世界第1位を誇る。

ダージリン

インド北東部、ヒマラヤ山麓の標高500~2000mに位置する産地。生産量は少ないが香味に優れ、紅茶では最も価格が高いことで知られる。シーズンにより特徴が大きく変化する。世界三大紅茶のひとつ。

 

◆クオリティーシーズン : 1年のうち最も良質な紅茶が採れる季節

ファーストフラッシュ (3月中旬~4月)

発酵が浅く、緑茶のように青々とした外観と黄味がかった淡い水色が特徴。爽やかな甘い香りとフレッシュな味わいを楽しむ新茶。

セカンドフラッシュ (5月~7月上旬)

1年のうちで最も品質が充実し、芳醇な香りと甘さを感じさせるコク、好ましい渋みを併せ持つ。水色は淡いオレンジ色。良品にはマスカテルフレーバーと呼ばれる独特の果物香がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

アッサム

インド北東部、アッサム地方のブラマプトラ河流域に広がる世界最大の紅茶産地。水色は濃い赤褐色。濃厚な味わいと奥深く芳醇な甘い香りが特徴。しっかりしたコクがあるので、ミルクティーに向いている。

ニルギリ

南インドの高原に位置する産地。ニルギリとは現地語で「青い山」を意味する。水色は明るく美しいオレンジ色。やわらかくすっきりとした味わいが特徴。クリームダウンが起こりにくいため、アイスティーに向いている。