「崩れる」結婚生活、怖い! | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

崩れる 結婚にまつわる八つの風景 (角川文庫)/角川書店(角川グループパブリッシング)

怖い:ホラーホラーホラーホラー /5
ドロドロ:46464646 /5


貫井徳郎さんの
「崩れる」を読みました。


『崩れる』
 イラストレーターの夫は仕事が来ず、探す気もない。息子は
 アニメーターになりたいと銀行を辞めてきた。毎日のパートに
 疲れ果てた芳恵は友人の光子が家を買ったという電話を受けた。

『怯える』
 妻の初美が妊娠した。ところが彼女は何に関しても大雑把で
 哲治は呆れる。そんなとき、あまりいい別れ方をしなかった
 元彼女の黒須から連絡があり、仕事中に呼び出されるが。

『憑かれる』
 聖美は仕事一筋で結婚する気が全然なかった。ある日、
 高校時代の友人・真砂子から連絡があり、結婚するという。
 相手は聖美の元彼氏で真砂子の想い人だった神原くんだった。

『追われる』
 結構相談所で女性とのつきあいを教えるセミナーの
 インストラクターである千秋は、模擬デート中に受講者の
 片桐からプレゼントを差し出される。

『壊れる』
 安永道春は妻・珠恵は男に尽くすタイプだったが、最近は
 それが鼻につく。ある日、浮気相手との約束が反故になった
 安西のもとに珠恵が交通事故を起こしたという知らせが入る。
 
『誘われる』
 引っ越してきたマンションには同世代の子持ちの母親がおらず
 娘の芹奈を遊ばせることができなかった。そんなとき、新聞の
 投書で娘を持つ母親の友達募集を見つける。

『腐れる』
 ベランダにでたとき、臭いが気になった。上下の住人がゴミを
 捨て忘れたのだろうか。それから臭いは徐々にきつくなっていく。
 亮子はそれ以外の臭いもどんどん鼻につくようになっていった。

『見られる』
 未奈子は留守番電話が嫌いで、携帯を使い始めたときに
 処分してしまった。ところが、そのころからいたずら電話が入る
 ようになる。未奈子の行動を逐一把握しており気味が悪かった。



お久しぶりの貫井作品ですが。
短編集は初めてかもしれません。

”結婚にまつわる八つの風景”という
タイトルどおりの短編8作品、
どれも愛憎ドロドロで目が離せません。

やはり人が一番怖いのね、
っていう系統の話なんですが、
中には異色の”怖い話”も紛れ込んでいて
気が抜けません。

個人的には
最後の短編「見られる」の
オチが怖かったですね。
もう、この後どうなることやら……と。

幸せとはいえない主人公たちの

結婚生活をのぞき見て
恐怖感をたっぷり味わえます。

巻末で貫井氏が短編は苦手だと
おっしゃってましたが、
面白かったので他の短編も
読んでみたくなりましたよ。