「友罪」最後、泣けました……。 | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

友罪/集英社

一気読み:1717171717 /5
考えさせられる:001001001001001 /5


薬丸岳さんの
「友罪」を読みました。


ジャーナリストを目指す益田純一は
寮があるカワケン製作所に
腰かけのつもりで入社する。

同時入社した鈴木秀人という男は
人との接触を極端に避け、
寮の仲間からも敬遠される。
そんな彼の様子は益田に辛い過去を思い出させた。

しかし、益田の何気ない一言がきっかけで
鈴木は周りとも急速に打ち解けていくことになる。
益田はそんな彼にとある疑惑を抱き始めた。



重いテーマですが
一気に読みました。
もう、先が気になってしまって……。

今まで読んだ薬丸作品にもありましたが
少年法とか加害者・被害者の問題を
取り上げています。

ジャーナリスト志望の主人公・益田が
同い年の鈴木と親友と呼べる間柄になるのですが、
実は鈴木は14歳の頃に
大罪を犯していたというお話。

ここで描かれている鈴木は
純粋で子供のような面がありながら
かつての罪の意識に苛まれ、
毎晩うなされるんです。
益田に出会う前は自傷の傷が残る体で
死に場所を求めてうろついていたんですよ。

その人物像がとても魅力的なんですよね。
しかし、世間はけっして彼を許さない。

益田と一緒になって
うんうん悩んでしまいます。

そして、最後。
涙とまりません。

”いい話”とか、”面白い”とか
”興味深い”とか
いいにくいジャンルですが
オススメ作品です。